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2020 年度 実施状況報告書

CMTM遺伝子群による変異EGFR陽性肺癌の分子基盤と治療戦略への展開

研究課題

研究課題/領域番号 19K08609
研究機関岩手医科大学

研究代表者

前門戸 任  岩手医科大学, 医学部, 教授 (40344676)

研究分担者 田中 伸幸  地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん先進治療開発研究部, 部長 (60280872)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードEGFR遺伝子変異 / 免疫チェックポイント阻害剤 / CMTM4 / CMTM6
研究実績の概要

既報ではCMTM 4/6 発現とPD-L1の細胞膜上の発現が大きく関係している(Nature. 2017 September 07; 549(7670))。当初、気管支鏡検体でのCMTM 4/6の発現を評価する予定であったが、微小検体での評価が難しく、現在、手術検体をEGFR遺伝子変異肺癌とEGFR野生型肺癌とを分け、CMTM4とCMTM6の染色を行っている。条 件を調節し、染色方法は安定してきたところで、EGFR遺伝子変異陽性と陰性検体で染色にCMTM発現に違いがあるかどうかを検討したが、明確な染色性の違いを検出することが出来なかった。
in vitroの研究については、宮城がんセンター研究所と共同して進めている。EGFR遺伝子変異を有する細胞株とEGFR wildの細胞株でCMTMの発現および蛋白を比較している。今後CMTMをsiRNAを用いて発現を抑制しての各種反応をチェックする予定である。
一方、EGFR遺伝子変異陽性肺癌については、多くの臨床試験のサブグループ解析からEGFR遺伝子変異肺癌の免疫チェックポイント阻害剤(PD-1/PD-L1阻害剤)への低反応性が報告さ れている。しかし、一部の患者においてはPD-1/PD-L1阻害剤が効果的な症例の報告もあり、その違いの究明が求められている。これを上記のCMTM発現との関係を 推察している。EGFR遺伝子陽性肺癌であっても免疫チェックポイント阻害剤が反応する腫瘍標本を収集のためプロトコールを作成し、他施設で検体を集めた。実際にEGFR遺伝子変異を有する肺癌であっても免疫チェックポント阻害剤で効果が認められる症例に遭遇している。この組織分析をまずNGSを用いて網羅的に分析することを進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

CMTMの免疫組織染色が微小検体で評価困難であり、標本を手術検体に切り替えたこととEGFR遺伝子変異肺癌であっても免疫チェックポイント阻害剤が効果があっ た貴重な症例の検体を収集するためにプロトコールを作り他施設の倫理委員会の承認を得ることに時間が費やされた。
症例数は多くはないが、ある程度の検体収集は終了した。今後その検体分析を進める。
in vitro研究については宮城県立がんセンターの人材不足の影響を受けたが、現在は進んでいる状況である。

今後の研究の推進方策

上記、臨床検体での研究をNGSを皮切りに進める。、in vitro研究も進めていく。具体的には、変異EGFRが細胞内小胞に局在する分子基盤を解明するため、CMTM分子群の役割を明らかにする。in vitro, in vivoモデルを駆使してCMTM遺伝子をノックアウトによる変異EGFRの蓄積・局在変化に与える影響を解明するとともに、その成果を応用した変異EGFR陽性肺癌の治療に向けた新たな基盤技術開発を目指す。

次年度使用額が生じた理由

CTMTのknockdown、knockinの研究が遅れており、次年度にその研究を行う予定。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Analyses of association between characteristics of patients with EGFR mutations and effect of ICIs after EGFR-TKIs.2021

    • 著者名/発表者名
      Takashi Ito
    • 学会等名
      JSMO2021(第18回日本臨床腫瘍学会学術集会)

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公開日: 2021-12-27  

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