研究課題/領域番号 |
19K08612
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
内海 裕文 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (00773855)
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研究分担者 |
谷端 淳 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (00508426)
橋本 典生 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (00771742)
荒屋 潤 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90468679)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | COPD / サルコペニア / Parkin |
研究実績の概要 |
【目的】COPDの死亡リスク因子は身体活動性の低下であり、サルコペニアが関与する。COPD患者の骨格筋では活性酸素種(ROS)が増加し、ミトコンドリア障害が示唆される。Parkin依存性マイトファジーとサルコペニアとの関連性を検討した。 【方法】筋管を用いParkinノックダウン(PKD)と過剰発現(PHA)を行い、喫煙刺激(CSE)の影響を検討した。喫煙曝露した野生型(WT)とParkinKO(PKO)マウスの腓腹筋で組織評価とWestern blot(WB)解析を行った。また、大腿骨頸部骨折を起こした患者の大殿筋を持ちいて組織評価とWB解析を行った。 【結果】CSE刺激でPKD筋管はWT筋管に比べROS産生増加と筋径の短縮を認め、WBでミオシン重鎖発現量の低下が見られたが、PHA筋管では筋萎縮の抑制を認めた。WTマウス喫煙群では筋肉量の有意な減少を認め、Parkinとミオシン重鎖の発現量も低下した。PKOマウス喫煙群の筋重量とミオシン重鎖の発現量はより顕著に減少しており、筋組織では4HNEとTomm20染色の有意な増強を認めた。また、COPD関連サルコペニアを起こした患者は、正常コントロールの患者の筋組織と比べてParkinの発現低下が見られ、また、筋組織でも4HNEとTomm20染色の有意な増強を認めた。 【結論】喫煙刺激によるParkin発現低下は、傷害ミトコンドリア蓄積を介して、サルコペニア病態進展に関与している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文投稿までのin vitroとin vivoの実験が大分揃ってきた。患者検体も徐々に集まってきている。
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今後の研究の推進方策 |
患者検体のさらなる集積と論文投稿までの残りの実験を仕上げる。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文投稿までの残り実験を完了する。
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