ときに非好酸球性喘息やCOPDとの鑑別が困難な遺伝性疾患:原発性線毛機能不全症(PCD)に着目することで、喘息やCOPDの分子病態、特に好中球性炎症をドライブする新たなエンドタイプの発見を目的とした。 日本人成人集団を対象に、5つのPCD関連遺伝子から分子的帰結を引き起こす12SNPを選択し遺伝的リスクスコア(GRS)を計算した。クラスター解析から、GRS値が高い又は低いクラスターは、喘息発症が遅く、女性が多く、肺機能が保たれ、2型免疫の特徴が少ないという似た特徴を有していた。DNAH5の異常発現に関連する遺伝子型は、粘膜線毛運動クリアランスの障害を介して成人喘息の病態の根底にある可能性がある。
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