研究課題/領域番号 |
19K08623
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
中村 祐太郎 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (60436962)
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研究分担者 |
須田 隆文 浜松医科大学, 医学部, 教授 (30291397)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 膠原病 / 間質性肺疾患 / 免疫療法 |
研究実績の概要 |
膠原病は全身に炎症をきたす難治性疾患であり,甚大な健康被害を与え続けている.特に肺病変のひとつである間質性肺炎は合併頻度が高く,多くの膠原病の予後不良因子であることから,その病態解析と有効な治療法の開発が切望されている.一方,樹状細胞(Dendritic Cell:DC)を介した免疫誘導の活性化は自己免疫疾患に必須の生体反応である.申請者らは,効率的で優れたDCの免疫調節能を利用し,動物モデルで各種腫瘍および感染症に,極めて有望なワクチンを開発してきた.本研究はこれらの技術を応用し,免疫反応を抑える制御性DCにより,肺における過剰な免疫反応を抑制することで,治療選択の極めて限定された膠原病に伴う間質性肺炎に対し,治療ワクチンおよび複合免疫療法としての研究基盤を確立することが目的である.上記の背景およびこれまでの研究成果をもとに,本 研究はマウスの関節リウマチに伴う間質性肺炎モデルを用いて制御性DCの治療応用に展開するための基盤となる研究を行っている.マウス骨髄細胞から細胞ワクチンとして用いるため,引き続きより効率よく安定したDC産生の調整,検討を継続しており,またマウスモデルについても,状況に応じた使用は可能となっている.一方で,膠原病をはじめとした間質性肺疾患においては,近年急速に多くの事象が明らかとなってきている.従って,より現状に合わせた効率的で効果的な治療法の開発が望まれ,解明された分子機構をふまえた治療ターゲットの再検討が不可欠である.現在我々は,線維性進行性となる症例群の疾患進行因子の解析を,ヒトの肺組織も用いて同時に行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
間質性肺疾患においては,最近急速な臨床および基礎研究の進展がみられ,2年余りの間に多くの事象が明らかとなってきた.膠原病の間質性肺疾患,本研究との関わりが深い関節リウマチに伴う間質性肺炎でも,予後不良群に共通する病態は,多くは持続性の線維性変化によることが解ってきた.一方,細胞治療は比較的安全で有望な治療であるが,主として炎症病態を標的とすることが特徴である.従って肺病変については抗炎症を誘導する治療のみでは,進行性の病態には効果が限定的であることが強く示唆される.さらに特発性肺線維症等とは異なり必ずしも全例が悪化しないことから,進行をきたさない群には治療の意義が薄い可能性も強く考慮される.従ってより効率的で有効性の高い治療を行うためには,少なくとも進行の見込まれる群をターゲットに,線維性の疾患進行の抑制を強力にきたす治療法の開発が望まれる.現在マウスモデルにて当初の細胞治療の有効性の検討は継続しつつ,ヒトの肺組織も用いて進行性で予後不良な経過を辿る症例群の,予後因子,ターゲット分子の検討も同時に行っている.
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今後の研究の推進方策 |
上記の因子が明らかとなれば,より効果的かつ効率的な間質性肺疾患の治療が可能となる. 当初の抗炎症による動物実験の検討を並行しつつ,前記ターゲットを明らかにする研究も必須と考え,引き続き同時に推進する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究実績および研究の進捗で記した如く,一部に研究に再検討を要するため計画に遅れを生じている.従って次年度に使用額が生じ,予定通り本研究に使用する.
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