研究課題
「線維化肺では、スフィンゴシン1-リン酸(S1P)とリゾホスファチジン酸(LPA)の分解酵素脂質リン酸ホスファターゼ3(LPP3)の発現低下がS1PとLPAの蓄積を引き起こし、線維化を促進する。」という作業仮説を検証するために、肺線維化の発症・進展に伴うLPP3タンパク質の発現変化および発現制御メカニズムを明らかにすることを目的として行った。2021年度は以下の実験結果が得られた。Rosa26遺伝子座にCAGプロモーター制御下で,Cre組換え酵素によりloxP配列に挟まれた発現阻止配列を除去するとLPP3を過剰発現するように遺伝子操作したLPP3ノックインマウスを作出した(2020-2021年度文部科学省新学術領域先端モデル動物支援プラットフォーム・モデル動物作製支援)。ROSA26遺伝子座に導入する条件付きLPP3発現フラグメントがCre-loxPシステムにより働くかどうか検討するために、条件付きLPP3発現ベクターとCre組み換え酵素をHEK細胞に導入した。Cre-loxPシステムにより、LPP3タンパク発現とLPA分解活性を確認した。また、作出されたLPP3ノックインマウスからマウス胎児線維芽細胞を単離し、Cre組み換え酵素の導入によりLPP3タンパク発現を確認した。今後、肺構成細胞特異的にLPP3を発現するように遺伝子操作したLPP3コンディショナルノックインマウスを用いたLPP3遺伝子発現を促進する方法が肺線維症に有効な治療法となるか否かを明らかにする予定である。
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