研究課題
【研究の目的】肺線維症は、慢性炎症により肺胞上皮の障害がおこりその修復に異常が生じ、その結果過剰なコラーゲン沈着がおこり線維化が進行する疾患であるが、その病因は明らかではない。IL-38はIL-1ファミリーに属し、以前我々はヒトでの肺線維症、薬剤による急性肺障害、慢性進行性間質性肺疾患の急性増悪についてIL-38の発現を検討した。その結果、活動性の高い時期には局所において過剰発現していることを報告した。そこで、IL38KOマウスを作成し、IL-38が肺の線維化に関しどのように関与するか検討する。【研究実施計画】今回我々はブレオマイシン(BLM)による急性肺障害モデルを作成し、コントロール群とIL-38KOマウス群とで比較を行ったが、IL-38KO群では通常より肺障害の程度が強くなると予想していた。当初、以前と同じブレオマイシンの腹腔内投与で肺障害モデルを作成しようと試みたが、肺障害モデルの作成がうまくできず、BLMの気管内投与による肺障害モデル作成に変更した。【結果】BLM 20μgを気管内投与し、Day21でのBAL液の細胞数と分画測定、および血清のIL-38, TNFα, TGFβ, IL-4, IL13,IL-18,IL-1b, IL-17の測定を行った。これらについては、WTとIL38KO群とで有意差を認めなかった。ただし、組織ではIL-38KO群で炎症細胞浸潤の程度がやや軽い印象であった。次にリコンビナントIL38を用いてBLMによる肺障害の抑制実験を行った。同様にBAL液の解析と、サイトカインの測定を行う予定であり、現在進行中である。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (5件)
BMJ Case Rep.
巻: 2021 ページ: e243715
10.1136/bcr-2021-243715.
Intern Med.
巻: 62 ページ: 439-444
10.2169/internalmedicine.9758-22. Epub 2022 Jul 14.
巻: 62 ページ: 1207-1211
10.2169/internalmedicine.0343-22. Epub 2022 Aug 30.
Medicina
巻: 59 ページ: 137
10.3390/medicina59010137.
J Infect Chemother.
巻: 28 ページ: 426-433
10.1016/j.jiac.2021.12.001. Epub 2021 Dec 18.
J Clin Med.
巻: 11 ページ: 1925
10.3390/jcm11071925.
Sci Rep
巻: 21 ページ: 22037
10.1038/s41598-022-26510-6.