本研究の目的は、肺癌の原発病巣と転移・再発病巣における異質性(Interlesional heterogeneity)について、その機序を解明し進行肺癌に対する個別化治療法の開発に繋げることである。 当院で施行し保有している剖検例を用いた解析を進めた。まず肺がんと診断されたが無治療のまま経過した症例について、原発・転移病巣毎に遺伝子メチル化異常に関するプロファイルの検討を行った。腺癌とそれ以外(扁平上皮癌や小細胞癌)では、p16遺伝子メチル化のプロファイルの違いを認め、腺癌でより転移・再発病巣における異質性(Interlesional heterogeneity)を認める結果であった。これらをAsia Pacific Society of respirologyおよび日本肺癌学会学術集会で発表を行った。 本研究を進めるべく、様々な解析を行っているが、研究代表者の村上が急逝したため、研究分担者の原田が引き継ぎ、整理を行っているところである。なおこの報告書も原田が作成した。
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