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2021 年度 実施状況報告書

IgG4関連肺疾患における自然リンパ球の役割とPD-1, PD-L1の関与

研究課題

研究課題/領域番号 19K08646
研究機関福井大学

研究代表者

早稲田 優子  福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 講師 (80536037)

研究分担者 川野 充弘  金沢大学, 附属病院, 講師 (20361983)
松井 祥子  富山大学, 学術研究部教育研究推進系, 教授 (40334726)
石塚 全  福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (50302477)
山田 和徳  金沢医科大学, 医学部, 准教授 (90397224)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードIgG4関連疾患
研究実績の概要

IgG4関連疾患は血清IgG4高値、病変組織へのIgG4陽性細胞浸潤および線維化を特徴とする新規の全身性疾患である。病態としては病変局所でのTh2優位のサイトカイン産生と共に、局所でTregが増加し、IL-10、TGF-β等のサイトカイン産生を認める。私たちは本病態の解析に適したモデル動物 (LAT Y136F変異マウス) の開発に成功したことはこれまで報告していたが、令和3年3月に論文化した。近年、獲得免疫を介さずにTh2サイトカインを産出する新しいリンパ球である2型自然リンパ球 (ILC2) の存在が明らかになり、それがIL-25やIL-33、thymic stromal lymphopoietin (TSLP) によって刺激されるとIL-5、IL-13の分泌を介して好酸球の増加や高IgE血症、さらにPD-1、PD-L1の作用によりTh2の増殖をもたらすと推定されている。近年注目されている抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体のアレルギー疾患における作用は未だ不明である。本研究は、IgG4関連疾患におけるILC2の役割とPD-1、PD-L1の関与を検討することにより、本疾患の発生機序の解明を行うことを目的として行った。
LAT Y136F変異マウスを用いて、肺病変におけるサイトカイン、ケモカインの発現について分子生物学的手法を用いて検討することに関しては終了し、令和3年3月にPLoS ONEに英語論文にて報告した。次に、LAT Y136F変異マウス中の血中ILC2を分離し、BALF中のIL-25、IL-33、TSLP関連サイトカインの測定、さらにLATY136F変異マウスの組織中のPD-1、PD-L1免疫染色さらにBALF、末梢血のPD-1、PD-L1の測定を行い、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体投与群と比較してBALF中のサイトカイン、ケモカインがどう変化するか検討する予定であったがCOVID-19流行の影響によりできていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

COVID-19流行により、臨床にかかるエフォートが予定よりはるかに増加、また教育に関してもオンライン授業に変更となりエフォートが増加した。令和2年度は研究が中断したが、令和3年度の後半からは再びマウスの継代からスタートし、現在研究を再開している。明らかに遅れているが、令和4年度に進めていく予定である。

今後の研究の推進方策

LAT Y136F変異マウス中の血中ILC2を分離し、BALF中のIL-25、IL-33、TSLP関連サイトカインの測定、さらにLAT Y136F変異マウスの組織中のPD-1、PD-L1免疫染色さらにBALF、末梢血のPD-1、PD-L1の測定を行い、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体投与群と比較してBALF中のサイトカイン、ケモカインがどう変化するか検討していく。

次年度使用額が生じた理由

令和3年度はCOVID-19の影響によりほとんど研究が進まなかったこと、また国内、外の学会に現地参加できず交通費が掛からなかったために次年度使用が生じた。令和4年度の研究計画は、1.LAT Y136F変異マウス(LATマウス)の肺胞洗浄液 (BALF) 中および血中のILC2の分離、2.LATマウスのBALF中のIL-25、IL-33、TSLP関連サイトカインの測定、3.LATマウスのBALF中のTh1、Th2関連サイトカインならびにTreg関連サイトカイン、好酸球関連サイトカイン、その他サイトカイン、ケモカインの測定、4.LATマウスの組織中のPD-1、PD-L1免疫染色さらにBALF、末梢血のPD-1、PD-L1の測定、5.LATマウスにおける抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体による変化について研究を行う予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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