急性腎障害のバイオマーカーであるneutrophil gelatinase-associated lipocalin (NGAL) の血中濃度は、肥満において上昇する。エネルギー代謝におけるNGALの意義を明らかにすることを目的として、野生型およびNGAL欠損マウスに高脂肪食あるいは寒冷暴露負荷を行った。NGAL欠損マウスでは、エネルギー消費の亢進と褐色脂肪組織の肥大がより強く起こり、肥満と体温低下の抑制を招き、内因性NGALは交感神経系と熱産生を負に制御していた。さらに寒冷暴露後のNGAL欠損マウスでは体温の上昇を呈した。
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