今後の研究の推進方策 |
1に、PKD1/LAT1ダブルcKOマウスを作製し、ADPKDモデルマウスでのLAT1発現抑制による腎嚢胞形成の程度を観察する。また、ADPKDモデルマウスにLAT1阻害薬の投与実験を行う。LAT1の特異的阻害薬であるJPH203は、(株)ジェイファーマとのMTA締結により、使用可能な状況である。 ADPKDの患者やADPKDモデルマウスでは、腎嚢胞だけでなく肝嚢胞の形成が併発する場合が多い。BCAA投与によって肝嚢胞も悪化することから、肝嚢胞においても腎嚢胞と同様にLAT1の発現が考えられたが、その発現は検出できなかった。しかしながら、多くのアミノ酸トランスポーターと共有結合を形成し、その細胞膜表面での発現を補助する4F2hcの発現が確認できた。4F2hcはLAT1のみならずLAT2, y+LAT1, y+LAT2, Asc-1, xCTといったアミノ酸トランスポーターの補助サブユニットとして働く。そこで、これらアミノ酸輸送体の抗体を用いて免疫染色を行い、嚢胞に発現するアミノ酸トランスポーターを同定する予定である。
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