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2020 年度 実施状況報告書

抗アミノ酸療法を用いた多発性嚢胞腎の治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 19K08687
研究機関杏林大学

研究代表者

木村 徹  杏林大学, 医学部, 学内講師 (30433725)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード多発性嚢胞腎 / アミノ酸トランスポーター
研究実績の概要

常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)は腎臓嚢胞形成が特徴で、最終的に透析を伴う末期腎不全になる場合が多い。申請者らは、ADPKDやそのモデルマウスにおいて、嚢胞形成部位にアミノ酸トランスポーターの1つである、LAT1が高発現することを見出した。また、このADPKDモデルマウスにLAT1の基質となる分岐アミノ酸(BCAA)を投与すると、腎臓の嚢胞形成が悪化することを明らかにした。
したがって、LAT1の発現・機能上昇が腎嚢胞形成促進に関与することが考えられた。そこで、LAT1阻害による嚢胞形成抑制効果に関して、in vivoでの検討を始めた。研究協力者の西尾沙織氏(北海道大学医学部腎臓内科・准教授)は、cre-loxPシステムを用いたADPKDのモデルマウスである、PKD1コンディショナルノックアウト(cKO)マウスを保持している。また我々は、同様のcre-loxPシステムを用いたLAT1 cKOマウスを作製した。そこで、両cKOマウスを交配させ、PKD1/LAT1ダブルcKOマウスの作出を行い、タモキシフェン投与してダブルノックアウトマウスを作製した。ADPKD単独ノックアウトマウスとLAT1とのダブルノックアウトマウスについて腎嚢胞の形成を観察した結果、予想に反して嚢胞形成状態の改善は見られず、逆に悪化している個体も存在した。完全にLAT1をノックアウトすることが影響していることも考えられたため、阻害剤を用いた検討も始めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画通りにほぼ進んでいる。

今後の研究の推進方策

ADPKDモデルマウスについて、LAT1特異的阻害薬JPH203の効果の検討を進めていく。ADPKDモデルマウスに対してJPH203を1~2週間投与し、嚢胞の形成状態を比較検討する予定であり、現在研究を進めている。
また、ADPKDの患者やADPKDモデルマウスでは、腎嚢胞だけでなく肝嚢胞の形成が併発する場合が多い。BCAA投与によって肝嚢胞も悪化することから、肝嚢胞においても腎嚢胞と同様にLAT1の発現が考えられたが、その発現は検出できなかった。肝嚢胞の形成に関わるアミノ酸トランスポーターに関して、候補が絞られたことから、この分子について更に検討を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

資料収集のため学会に参加予定であったが、すべて取りやめたため旅費に差額が生じた。また、論文投稿ができていないため、その他金額に差額が生じた。
次年度に物品費・その他として使用予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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