研究課題
基盤研究(C)
本研究により、ポドサイトにおけるDNA損傷がDNAメチル化などのエピゲノム変化を惹起し、持続的なポドサイト形質の変化がもたらされることにより、腎臓病病態に関与することが明らかになった。また、ヒトサンプルを用いた臨床研究の結果、ポドサイトDNA損傷の程度は、腎生検サンプルや尿中脱落細胞を用いて評価することが可能であり、ポドサイトDNA損傷やDNAメチル化変化は、蛋白尿や腎予後に関連する新規マーカーとして有用であることが示唆された。
腎臓内科学
高齢化社会を背景とした、高血圧や糖尿病増加に伴う慢性腎臓病(CKD)が増加していることから、老化に伴う変化を理解することは重要である。老化の本質として、DNA損傷やエピゲノム変化の蓄積が重要であることが知られており、本研究では腎臓の老化を理解するためにポドサイトDNA損傷や随伴するエピゲノム変化について検討した。その結果、ポドサイトDNA損傷は、老化のみならず多くのCKDに共通して認められる現象であり、新規治療標的、予後予測マーカーとして有用である可能性が明らかになった。