研究課題/領域番号 |
19K08691
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
高橋 和男 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90631391)
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研究分担者 |
湯澤 由紀夫 藤田医科大学, 医学部, 教授 (00191479)
坪井 直毅 藤田医科大学, 医学部, 教授 (50566958)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | IgA腎症 / 糖鎖異常IgA1 / バイオマーカー / 質量分析 / 糖鎖医学 |
研究実績の概要 |
IgA腎症(IgAN; IgA nephropathy)は,わが国に高頻度に認める慢性糸球体腎炎で,20年の経過で約40%が末期腎不全に陥る。IgANでは,患者血中に糖鎖異常IgA1(Gd-IgA1; Gal-deficient-IgA1)が増加し,このGd-IgA1を中心とした免疫複合体が糸球体に沈着し腎炎を生じる。既にGd-IgA1を検出する抗体は開発されているが,単独でIgANの診断はできない。IgA1糖鎖はバラエティが豊富でIgANに特異的に増加する糖鎖構造を同定すれば,本症の特異診断につながる可能性がある。そこで本研究は,本症におけるGd-IgA1の役割の解明とバイオマーカー応用を目指し,①IgAN患者の沈着IgA1の糖鎖構造を同定(糸球体沈着性Gd-IgA1の構造同定),②前向きに採取した臨床検体を用いてGd-IgA1の臨床的意義を検討,③POCT (Point Of Care Testing) 試薬によるGd-IgA1検出を単独バイオマーカーとして開発することを目指した。血中IgA1ヒンジ部糖鎖の定量的プロファイリングを日本人,白人患者で行い,日本人,白人のIgAN患者でともに増加する糖鎖構造を同定した。糸球体沈着IgA1その構造に対するモノクローナル抗体を作成し,POCT試薬の開発を現在行っている。またIgAN患者で増加する糖鎖構造の成因を患者摘出扁桃からB細胞を分離し,糖転移酵素の変化を検討している。
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