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2020 年度 実施状況報告書

全ゲノム解析システムを用いた常染色体優性多発性のう胞腎の腎障害悪化因子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 19K08695
研究機関筑波大学

研究代表者

甲斐 平康  筑波大学, 医学医療系, 講師 (60510138)

研究分担者 佐藤 孝明  筑波大学, 国際産学連携本部, 特命教授 (30225958)
山縣 邦弘  筑波大学, 医学医療系, 教授 (90312850)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード常染色体優性多発性嚢胞腎 / 全ゲノム解析
研究実績の概要

本研究の進捗状況
・ADPKDは最も頻度の高い遺伝性腎疾患である。嚢胞増大に伴う腎組織の障害に伴い腎機能が悪化すると考えられているが、①兄弟間で腎嚢胞、肝嚢胞の進展が大きく異なる症例、②兄弟間の年齢差が3歳差であるのにも関わらず一方は透析に至り他方は腎機能がほぼ正常な症例、③兄弟(一卵性双子)間で腎容積が小さい症例がむしろ腎機能が悪化している、など嚢胞の進展だけでは腎障害の説明が不可能な症例が本コホート研究解析対象に含まれている。これらの症例の全ゲノム解析により新たな腎障害進展因子が発見される可能性が高い。
・近年次世代型シークエンサー(NSG)などの目覚ましい進化によって分子遺伝学の分野が急速に発達し診断や治療に反映されつつあり、社会的ニーズも高い。今回次世代超ハイスループットヒト全ゲノム配列解析システムを用いることによりPKD遺伝子変異の実臨床像を明らかにするのみならず、PKD遺伝子以外に病状の進行に影響を与えると考えられている未知のmodifier gene(遺伝子X)を明らかにすることが大きな目的である。
・我々の研究グループは、200例を超える大規模なADPKD患者の前向きコホートが継続中であり、経時的な腎機能悪化速度、腎容積の増大速度などの解析必要な臨床情報に加えてゲノム採取も行っており、大規模な遺伝学的解析を行うことが可能な状況である。
・まずはトルバプタン治療例30例に対しNGSを用いた全ゲノム解析を実施した。全例にてPKD1,PKD2の診断が可能であり、25例がPKD1変異であった。またPKD1変異ではtruncatingとNon truncating変異の識別も可能であり、約半数はこれまでに報告されていない遺伝子変異が見つかった。現在さらなる症例の蓄積と効率の良い遺伝子診断法の開発を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

NGSによる全ゲノム解析にてPKD遺伝子変異の診断が可能であることを明らかにした。サンプル数を増やすことや効率の良い診断法を開発することが今後必要である。

今後の研究の推進方策

最終年となるため引き続きADPKDに対する遺伝子解析、臨床背景との関連を調査する。就職遺伝子の探索、効率の良い診断方法を確立し、コホート症例の遺伝子診断を着実にすすめていく。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の影響により旅費は生じなかった。また、COVID-19の影響により一部遺伝子解析が滞った部分もあり次年度に集中的に進める予定であり、次世代シークエンサーにて解析する試薬等に支出する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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