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2019 年度 実施状況報告書

慢性腎臓病患者における腸内細菌叢の変化とその改善による新規治療戦略の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K08700
研究機関名古屋大学

研究代表者

加藤 佐和子  名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (80625757)

研究分担者 石本 卓嗣  名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (00534835)
丸山 彰一  名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10362253)
小杉 智規  名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (90584681)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード腸内細菌叢 / 慢性腎不全 / 細胞老化 / コホート研究 / 炎症 / 血管疾患
研究実績の概要

我々は、日本人の新規透析導入患者(CKD stage5D)のコホート研究NICE-GENE study を遂行中である。現在211例の登録、血液サンプル収集が得られている。そのうち約50症例の血液検体より、循環白血球よりDNAの抽出を行った。グラスゴー大学グラスゴーポリオミクスDr. David McGuinnessの指導の下細菌由来のDNAを測定した。合わせて、患者背景・臨床情報(腎機能、炎症、栄養状態、心不全、および動脈硬化指標等)を収集し、データベース作成を進めた。以上の結果、診療情報を合わせて予備解析を行った。
循環白血球に取り込まれた細菌由来のDNAは、透析導入時、透析一年後の比較において、細菌のthe clade level 、the order level において、菌株、多様性、割合について大きく変化が認められた。臨床情報との比較で、これらの変化に寄与した要因について解析を行ってきたが、今までのところ有意に変化をきたす因子を見出せなかった。
しかしながら、循環白血球に取り込まれた細菌の菌株、多様性、割合は、腎不全の原疾患において、透析導入時にそもそも大きく異なっていることが示された。過去の論文より糖尿病、非糖尿病で大きくことなるとが予想されたが、糖尿病の有無ではあまり変化がなかった。多発のう胞腎や腎硬化症で予想と異なる結果であった。これは、透析導入時の年齢やそれまでの感染症の既往に関与している可能性が考えられた。また、すでに、心血管合併症を経験した患者かどうかによっては、あまり変化が認められなかった。
これは、ストックホルムの透析患者、腎移植患者の予備解析とは異なる結果であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

登録患者数が予想より伸びず、検体収集が進んでいない。血清中のTMAOの測定が日本国内では難しいことがわかり、方法を再検討している。また、さらに腎不全患者の国際比較をするにあたり、日本の新規透析患者ととスウェーデン移植患者のデータについて、クラスゴー大学より、そもそもの背景の違いが大きすぎるため直接比較は難しいのではとの意見をいただき、検討中である。

今後の研究の推進方策

慢性腎臓病治療の向上などで、透析導入患者の高齢化がすすみ、本研究登録基準である75歳以下を満たす患者が年々減少しているため、予想より登録が進まない現状にある。また、通院透析施設から施設入所転院がふえ、患者予後などの重要な情報の収集も追い難くデータベースの構築が難しくなったのは事実である。また、そもそもの背景の違いを検討するために、同年齢の日本人コントロールサンプル(腎不全患者でない)の収集を検討している。
また、実際に感染症や心血管合併症を経験した患者のサンプルの比較検討もすすめたい。
今後は、国際比較のための現地データ回収も早期に実現したい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (2件)

  • [国際共同研究] グラスゴー大学(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      グラスゴー大学
  • [国際共同研究] カロリンスカ研究所(スウェーデン)

    • 国名
      スウェーデン
    • 外国機関名
      カロリンスカ研究所

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公開日: 2021-01-27  

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