現在、日常診療において降圧薬として使用されているMR拮抗薬は、高血圧に対してのみならず、心不全や糖尿病性腎症の予後改善効果など多くの病態において、その有益性が大規模臨床研究によって示されている。中でも、末期腎不全患者におけるMR拮抗薬の有益性は特筆すべき知見であり、MR拮抗薬が、腎臓MRだけでなく、腸管MRをも介してその有益性をもたらしている可能性が推察される。これまで、各種疾患における腸管MRの関与については、ほとんど注目されておらず、本研究の成果は、病態解明において新たな視点を与え、各種疾患、特に糖代謝疾患における新規治療アプローチの開発へ、有用な知見をもたらしてくれることが期待される。
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