研究課題/領域番号 |
19K08718
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
滝山 由美 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (00396350)
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研究分担者 |
中村 匡徳 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20448046)
世良 俊博 九州大学, 工学研究院, 准教授 (40373526)
西川 祐司 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90208166)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 腎糸球体イメージング / 糖尿病腎症 / NAFLD / 胎生期環境 |
研究実績の概要 |
2020年2月撮影した放射光CT画像のHFD-induced fetal origin of adult disease(HFOAD)マウスの胎生14.5日マウス腎臓体積について検討中である。 高脂肪食(HFD)飼育の母親マウスの胎仔の腎臓体積は、通常食(CD)飼育の母親マウスの胎仔マウスの腎臓と比較して増大を認めている。 HFOADマウスでは、腎臓以外に肝臓の体積増大を確認しているが、臍帯静脈の直径増大を認めないことから、血流増加を伴わない体積増加により、胎仔肝臓が低酸素状態に陥ることが示唆される。同様の病態は、同じく体積増加を認める胎仔腎臓においても発生している可能性が考えられ、胎生期腎動脈の血流解析が必要と考えられた。一方、成体期のHFOADマウスの血清クレアチニンは、対照群と比較して増加傾向を認めなかったため、胎生期環境の影響は、成体期における糖尿病、加齢などのストレス下において、初めて明示化されるものと思われ、これら条件下における腎障害発生についての検討が必要と考えられた。 従来から、非アルコール性脂肪肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease; NAFLD)の存在・重症度と糖尿病合併症である大血管症、細小血管障害のリスクについての強い関連性については、疫学的エビデンスにより立証されている(Nature Reviews Endocrinology volume 14(2): 99-114,2018)。今回、胎生期過栄養により、胎生期とともに成体期においても、肝臓と腎臓に組織学的影響を認めていることから、本研究結果は、胎生期からのNAFLDと慢性血管症との連関について示唆する結果と思われ、病態機序と病態構成因子について検討を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究計画2年次(令和2年度)は、HFOADマウスに低用量ストレプトゾトシン(50 mg/kg; Sigma Chemical, St Louis, MO, USA)を連日5日間腹腔内投与により誘発した糖尿病によるHFOADマウスへの影響を確認する計画であったが、新型コロナウイルス感染拡大防止のための行動指針(Business Continuity Plan; BCP)レベル2により、動物実験室への入室制限、また、新規実験開始が認められず、実験は進行していない。制限解除後に開始予定である。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度計画のFOADマウスに低用量ストレプトゾトシン(50 mg/kg;Sigma Chemical, St Louis, MO, USA)を連日5日間腹腔内投与により糖尿病を誘発し、糖尿病状態による糸球体の数・容積・分布についての影響を、生理学的・生化学的・組織学的検討とともに、新たに、放射光CT撮影を行い、定量的検討を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大防止のための行動指針(Business Continuity Plan; BCP)レベル2により、動物実験室への入室制限、また、新規実験開始が認められず、計画通りに実験が進められず次年度使用額が生じた。次年度、実験制限解除後、実験計画を進める予定である。
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