急性腎障害は高頻度、高死亡率な病態である。特に、透析を要する急性腎障害に多臓器障害を伴うと死亡率は40-50%程度と生命予後不良である。このように透析を行なっても急性腎障害の予後が悪いのは、急性腎障害からの臓器連関作用による多臓器障害によると考えられている。本研究では、ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニストが脾臓マクロファージでの抗炎症経路を活性化して急性腎障害によって誘導される肺障害を軽減することを初めて明らかにした。本研究は、AKIによる臓器連関障害を軽減する新たな治療ストラテジーを提唱するもので、ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニストの急性腎障害患者び対する臨床応用への礎となる。
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