研究課題/領域番号 |
19K08722
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
古橋 和拡 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (50835121)
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研究分担者 |
石本 卓嗣 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (00534835)
前田 佳哉輔 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00836306)
丸山 彰一 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10362253)
勝野 敬之 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (60642337)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 腎臓 |
研究実績の概要 |
我々は臨床応用を目指し、独自の低血清培養脂肪由来間葉系幹細胞(LASC)を作成した。LASCは急速進行性腎炎モデルにおいて通常培養の間葉系幹細胞(MSC)より優れた治療効果を示した。MSCの臨床応用において、MSCを静脈投与した際に想定される重篤な副作用として肺塞栓がある。本研究ではこの問題点を解決するために、細胞を直接体内に投与せず、MSCから分泌される液性因子のみを体内に投与できるMSC治療用中空糸膜カラム(MSCカラム)を開発することを目的とする。このMSCカラムによる効果的な治療を達成するためには、より多くの成長因子・免疫制御因子を分泌するMSCが必要であり、さらなるLASCの活性化が必要である。そこで、我々は新たな培養装置を開発し、LASCのさらなる高機能化を目指す。MSCカラムの開発とLASCの高機能化により、より安全な間葉系幹細胞療法の実現へとつなげる。 我々は、MSCカラムの開発において、まず中空糸膜の素材の決定を行った。カラム内中空糸膜外に充填したLASCに最適な素材を選び出した。次に、カラム内中空糸膜内で培養するための閉鎖系培養システムの開発を目指し、無菌的な閉鎖系培養システムを作製した。この開発した閉鎖系培養システムを併用することで、LASCをカラム内中空糸膜上でより安定して培養することが可能となり、MSCカラムを安定して作製することに成功した。さらに、この作製したMSCカラムを使用することで、細胞は多くの成長因子を分泌するようになり、細胞を直接体内に投与せずに、治療が可能であることラット腎炎モデルで確認した。
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