研究課題/領域番号 |
19K08723
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
前田 佳哉輔 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (00836306)
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研究分担者 |
丸山 彰一 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10362253)
古橋 和拡 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (50835121)
勝野 敬之 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (60642337)
小杉 智規 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (90584681)
加藤 規利 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (90716052)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ポドサイト |
研究実績の概要 |
カルシウム/カルモジュリン依存性キナーゼ(CaMK)シグナルに対するポドサイト特異的治療の確立のため、難治性腎疾患の一つである、難治性ネフローゼ症候群におけるCaMKシグナルの解析を行った。難治性ネフローゼ症候群の一つであるヒト巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)におけるポドサイト内のCaMK4とCaMK2の発現の違いから上流のCaMKキナーゼ(CaMKK)に着目した。CaMKKの2種類のアイソフォームの両者を阻害する低分子化合物(CaMKK阻害薬)を使用して、その役割を検討した。FSGSモデルマウスにCaMKK阻害薬を投与し、尿蛋白の推移を検討した。CaMK4阻害を行った場合と同様に蛋白尿の減少が予想されたが、CaMKKの阻害による蛋白尿の誘導に関してはコントロールと比較して有意な差は認められなかった。また、ヒト培養ポドサイトを使用した実験においては、CaMKK阻害薬投与により刺激剤によるアポトーシスがコントロールよりむしろ有意に増加した。そのため、CaMKK各アイソフォームの機能解析もすすめることとし、CaMKKα、CaMKKβ各欠損マウスから、各々の欠損マウスとCaMKKα/βダブルノックアウトマウスを作製した。CaMKKダブルノックアウトマウスにFSGSマウスモデルであるアドリアマイシン腎症を作製し、尿蛋白の推移を検討したが、阻害薬投与実験の結果と同様に蛋白尿の改善を認めなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ポドサイト内におけるCaMKK-CaMK4シグナル経路の機能解析のためCaMKK阻害実験を行ったが、当初CaMK4を活性化する役割をもつCaMKKは、同様にポドサイト障害を軽減すると想定されたが、予想に反し改善を認めなかった。そのため、CaMK4の機能解析のみならず、現在CaMKK各アイソフォームの欠損マウスを入手しそのアイソフォーム毎の機能解析を行っているためやや遅れる結果となっている。
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今後の研究の推進方策 |
CaMKK各アイソフォームの欠損マウスを使用し、各々のポドサイト内における機能解析をすすめる。
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