現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度は以下の通り、研究を行い論文発表を行った。1)Alport症候群患者におけるsplicing異常が疑われる変異においてminigeneを作成し、実際にsplicing異常を来しているかの検証を行い、それらの変異の病原性の証明を行った(Horinouchi et al, Sci Rep, 2019)2)Pierson症候群で非典型的に軽症の臨床像を呈した患者において、RNAシークエンスによりイントロン内変異に伴うスプライシング異常を同定したが、同時に少量の正常のスプライシング産物も産生するため軽症化したという分子生物学的機序を証明した(Minamikawa et al, J Hum Genet, 2019)3)Dent病患者におけるCLCN5遺伝子のsplicing異常が疑われる変異においてminigeneを作成し、実際にsplicing異常を来しているかの検証を行い、それらの変異の病原性の証明を行った(Inoue et al, Clin Exp Nephrol, 2020)4)WT1遺伝子のスプライシング異常により発症するFrasier症候群において、アンチセンス治療薬を用いてスプライシングを制御することによる治療法の開発を行っている。4)Alport症候群のスプライシング異常例において、スプライシングを調節するU2蛋白に対するsiRNAによりスプライシング異常を起こさなくすることで治療ができる科の検討を行っている。
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