研究課題
本研究では糖尿病性腎症モデルマウスの腎におけるmRNA発現トランスクリプトーム解析で明らかになった新規血管新生・増殖系因子、ロイシンリッチα2 糖蛋白質1(LRG1)について、糖尿病モデル動物、腎障害モデル動物、LRG1ノックアウトマウス、およびヒト組織・尿・血液検体などを用いて、糖尿病性腎臓病を含む慢性腎臓病(CKD)の発症・進展における機能的意義、腎疾患の診断・予後予測マーカーとしての可能性、さらにはLRG1 に着目した新規分子標的治療法の開発に向けた検討を行う.腎におけるLRG1の発現分布に関し、腎糸球体内皮細胞、糸球体上皮細胞、および尿細管上皮細胞での発現を明らかにした.糖尿病モデル動物であるdb/db マウスの腎臓ではLRG1発現が対照正常マウスと比較して増加していることを明らかにした.さらに、LRG1は糖尿病性腎症のみならず、マウス加齢性腎線維化モデルおよびマウス5/6腎摘CKDモデルによりその発現が増加することを見出した.現在、LRG1ノックアウトマウスを作製中である.
3: やや遅れている
LRG1ノックアウトマウスを当初は海外の研究協力者より輸入予定であったが,COVID-19感染拡大により困難となった.
現在,LRG1ノックアウトマウスを作製中である.LRG1ノックアウトマウスをもちいて慢性腎臓病モデル動物作成しその意義を検討する.また,今後,中和抗体についても研究協力者より供与を受ける予定である.
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Scientific Reports
巻: 10 ページ: 1782
10.1038/s41598-020-58214-0