透析の最大の原疾患である糖尿病性腎症(Diabetic Nephopathy, DN)は、透析のみならず、心血管合併症を引き起こし、生命予後を不良にするばかりか、これらの治療に要する医療費を増大させるため、社会的悪影響が大きい。糖尿病性腎症は、今もって糖尿病や高血圧への治療が中心であり、腎そのものへの有効な治療法は今もって存在しないことが、増え続ける一方の患者数と医療費増大に歯止めが利かない理由である。Namptの糖尿病性腎症における生体意義を明らかにした我々の今回の研究成果を今後さらに発展させることで、Nampt低下を抑止する治療薬への開発につながり得る学術的、社会的波及効果が考えられる。
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