露出部の炎症後色素沈着(PIH)は、患者のQOLを著しく低下させるにもかかわらず、その病態が解析されておらず、有効な治療法も確立されていない。そこで、我々はヒト型皮膚を持つ遺伝子改変マウス(hk14SCF Tg-HRMマウス)を使用して、PIHモデルマウスを確立した。そして、PIHの病態を化学的、免疫組織学的、電子顕微鏡的に解析したところ、主原因は真皮に滴落したメラニンの代謝速度が遅い事、その代謝の中心的な役割を担っているのが一部のマクロファージであることを明らかにした。 我々のPIHモデルマウスの確立が今後PIH研究の飛躍的発展のきっかけになることが期待される。
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