現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は、下記の2つのサブテーマを設定し、表皮角化細胞とDRG細胞のそれぞれにおけるOSMRβ役割とそう痒への関与を明らかにすることを試みた。おおむね計画通りに研究は進んでいる。 1. 変異OSMRβを発現したヒト表皮角化細胞株の作成 昨年度はFPLCA患者2家系(OSMR-p.G618A、p.P694L)と同一のOSMR遺伝子変異をもつ2種類のプラスミドベクターを作成し、HaCaT細胞にそれぞれのプラスミドベクターの遺伝子導入を試みた。現在は、遺伝子導入後のHaCat細胞を用いて、OSMRβの発現量の増加に対してはリアルタイムPCRとフローサイトメトリーで、変異OSMRβの発現に対してはRNAの遺伝子配列を評価することによって確認を行っている。 2. マウスDRG細胞株におけるIL-31, OSM刺激による細胞機能の解析 昨年度はMED17.11をOSMやIL-31で刺激し、OSMRβの下流のシグナルのリン酸化STAT3, STAT1, STAT5, Erk1/2, Aktなどのリン酸化をWestern blot法にて確認した。OSMではいずれの分枝のリン酸化も確認したが、IL31刺激では一部の分枝のリン酸化しか確認できず、このOSMとIL31の下流シグナルの差がそう痒の機序につながっている可能性が示唆された。現在は、OSMやIL31刺激によるDRG細胞内へのカルシウム流入をCa2+ 蛍光プローブを用いて観察するための条件を検討中である。
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