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2021 年度 実施状況報告書

培養脂腺細胞の分泌膜小胞セボゾームの生成と周辺細胞への脂質供給機構

研究課題

研究課題/領域番号 19K08751
研究機関愛媛大学

研究代表者

永井 彩子  愛媛大学, 医学部附属病院, 助教(病院教員) (90420562)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードセボゾーム / 分泌膜小胞 / 脂腺細胞
研究実績の概要

脂腺細胞は、スクアレンなどの脂質を合成し、皮脂として皮膚表面に分泌する。我々は、ラットの脂腺細胞を培養したところ、脂質顆粒を含む膜小胞を活発に生成・分泌することを発見して、同膜小胞を「セボゾーム」と命名した(Endocrinology 2005年)。既に我々は、数種類の蛍光膜マーカーでSebosomesを標識すると、培養表皮細胞などの周辺細胞に取り込まれることを報告した。Sebosomesは様々な分子の細胞内外での担体となりうると期待され、今回、培養脂腺細胞に添加した蛍光レチノイン酸誘導体の細胞内輸送へのSebosomesの関与について検討した。
【方法】初代培養の脂腺細胞はEGF添加D'MEMで培養維持した。Sebosomesはリソソーム成分の確認のためLysoTracker(R)(invitrogen)で染色した。蛍光レチノイン酸誘導体はLightOx(TM)14, LightOx(TM)17(Sigma) 10 uMをそれぞれ培養液に添加し、数時間後、蛍光顕微鏡で観察した。
【結果】蛍光レチノイン酸誘導体の蛍光は細胞内のSebosomes内に検出された。LightOx(TM)14の蛍光はSebosomesに局在し、LightOx(TM)17の蛍光はSebosomesと細胞膜に検出された。
【結論】培養脂腺細胞のSebosomesはリサイクリングおよび、早期-後期エンドソーム、リソソーム、脂質ラフトなども含む新規かつユニークな複合膜系であった。ヒストンH3やスクアレンなど、固有のタンパク質や脂質を濃縮しており、保湿機能や、抗菌活性等が示唆された。さらに脂溶性のビタミンなどの細胞内輸送への関与が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染拡大により、研究に必要な試薬・消耗品には、納期未定や長期遅延、長期欠品、価格高騰などで入手困難になったものが多い。数ヶ月先を見越した物品注文を行い対応に努めているが、供給は不安定でかつ納期確認等の業務に時間を要し、以前に比べ計画的な必要物品の入手の目処が立たない状態が続いている。重ねて、大学内研究施設の使用も感染対策の段階に応じて事前申請・許可制になり、事実上制限がある。また、新型コロナウイルス感染拡大防止対応のため、研究以外の診療や大学の日常業務量が増え煩雑化したことも加わり、現状に合わせて実験予定の変更を余儀なくされ、それに伴い、研究の進行状況に遅れを生じている。

今後の研究の推進方策

新型コロナウイルス感染拡大により、試薬・消耗品などの入手・国内外の輸送が困難な状態が続いており、令和3年度も回復の兆しはなく、研究に必要な物品の計画的な購入の目処が未だ立たない状態である。また、感染拡大の度重なる再燃を受け、実験室や共通機器の使用、学内研究施設への立ち入りは事前許可制となっており、事実上制限があり、実験予定の変更を余儀なくされている。今後、試薬の流通や研究環境の回復の程度に合わせ、大きく研究計画を変更しなければならない。具体的には、現状で十分活用できる機器、施設を用いる研究体制に一部変更し、膜動態に注目したセボゾームの形成機構を中心に研究を進めていく予定である。学会発表の場でも本研究の特異性は高く評価されており、データの整理等のまとめを並行して行っていく。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染拡大による研究環境の悪化、消耗品等の物品供給が不安定になり計画通りの調達が困難になったことから、研究に遅れが生じている。現在半年以上の納期が必要になっている物品もあり、それを踏まえて注文を進めているが、さらにウクライナ情勢の影響も受け、納期が大幅に延長になり年度内には入手できなかった物品も出てきたため、残予算が生じた。今までよりも、消耗品の価格も高騰してきており、残予算はそれらの物品の購入費用に当てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 細胞内物質輸送における、脂腺細胞の分泌膜小胞、セボゾームの役割2021

    • 著者名/発表者名
      永井 彩子、澄田 道博
    • 学会等名
      第44回日本分子生物学会年会

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公開日: 2022-12-28  

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