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2021 年度 実施状況報告書

ブレオマイシンと免疫チェックポイント阻害薬の併用による悪性黒色腫の治療

研究課題

研究課題/領域番号 19K08760
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

門野 岳史  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (80292910)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード悪性黒色腫 / ブレオマイシン / PD-1 / CTLA-4
研究実績の概要

免疫チェックポイント阻害薬にDNA障害性の抗腫瘍薬であるブレオマイシンを併用し、抗腫瘍効果に加えてneoantigenを誘導することで免疫チェックポイント阻害薬と相乗的に作用し、悪性黒色腫に対する治療効果を高める検討を継続した。B16F1悪性黒色腫細胞をC57BL/6マウス背部に20万個打ち、腫瘍が形成された段階で、抗PD-1抗体もしくは抗CTLA-4抗体を10mg/kg腹腔内に2回投与し、加えて腫瘍局所に300μgのブレオマイシンを局所注射し、その後の腫瘍の成長速度を計測した。抗PD-1抗体単独投与群と比較するとブレオマイシンの局所注射をした群の方が腫瘍の成長速度が予防モデル及び治療モデルの両者で低下した。また、マウスによっては寛解を得られた例もあったが、少数例であり、寛解率を計算するほどまでではなかった。また、接種して3週間の時点でのH&E染色では、腫瘍の成長速度が低下したマウスではマクロファージやリンパ球の浸潤細胞の増加が見られた。また、接種して3週間の時点での腫瘍組織mRNAより、Real time PCRを行なったところ、抗PD-1抗体とブレオマイシンとを併用した群で、TNF-α、IL-1β、IL-6の増加がみられた。但し、IL-10も増加がみられ、全般的に浸潤細胞の増加に伴うことによると考えられた。ついで、接種して3週間の時点での皮膚所属リンパ節を用いてフローサイトメトリーを行った。抗PD-1抗体とブレオマイシンとを併用した群では細胞数の増加がみられ、CD44highのCD4陽性T細胞、CD8陽性T細胞の両者が増加していた。また、皮膚にホーミングしやすいと考えられるCD44high CD4CCR7陽性T細胞の数も増加していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

COVID-19の影響や大学院生の人員の問題、また、PD-1抗体の効力の低下の問題もあり、遅れ気味である。また、一回の実験で扱えるマウスの匹数の限界もあり、十分なデータを得るために時間を要している。

今後の研究の推進方策

引き続きマウスを用いた実験を中心に行う。実験は一部を大学院生とともに行い、検討を進める。COVID-19のさらなる影響も予想されるが、必要とされる実験も先が見えてきており、地道に進めていく。

次年度使用額が生じた理由

実験計画がやや遅れ、次年度に追加で実験を行わなければならなくなったため、次年度使用額が生じた。主たる出費はマウスの飼育費、投与する抗体、プライマーなどの消耗品である。

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公開日: 2022-12-28  

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