研究課題
基盤研究(C)
悪性黒色腫はホクロ由来の皮膚がんで、容易に転移し予後が悪い。本研究ではマウスの悪性黒色腫モデルを用いて、がん免疫を高める免疫チェックポイント阻害薬である抗PD-1抗体に抗がん剤の一種でDNA障害性の強いブレオマイシンを併用したところ、悪性黒色腫の成長速度が低下することが分かった。また、その機序として腫瘍局所への細胞浸潤と炎症性サイトカインの増加が考えられ、更に所属リンパ節も増大し、腫瘍局所に移行するT細胞が増加していた。
皮膚悪性腫瘍
悪性黒色腫は容易に転移し予後が悪い皮膚がんである。近年、がん免疫を高める免疫チェックポイント阻害薬や特定の遺伝子異常を標的とする分子標的薬が登場し、従来よりも生存率が向上したが、未だ十分とは言えない。本研究では、マウスの実験ではあるが、免疫チェックポイント阻害薬による治療にDNA障害性の強い抗がん剤であるブレオマイシンを併用することで、免疫チェックポイント阻害薬単独治療の場合よりも悪性黒色腫の成長速度が低下することが分かり、人への応用が期待できる。