研究課題/領域番号 |
19K08777
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
藤井 一恭 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (70452571)
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研究分担者 |
近藤 格 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (30284061)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | HDAC阻害剤 / 皮膚T細胞リンパ腫 / キノーム解析 / Src |
研究成果の概要 |
皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)に対するHDAC阻害剤の有効性を増すために併用療法のターゲットとなりうる分子の研究を行った。3株のCTCLの細胞株を3種のHDAC阻害剤で刺激し、チロシンキナーゼの活性の変化をアレイを用いて解析した。共通してキナーゼ活性の亢進を認めた分子はごく一部で、同定されたキナーゼの多くはSrc経路にかかわる分子であった。未刺激の細胞株ではSrcのリン酸化は認めなったが、HDAC阻害剤の刺激でSrcのリン酸化が誘導されていた。Src阻害剤によりHDAC阻害剤のアポトーシス誘導能が亢進した。以上からSrc経路はHDAC阻害剤の併用療法のターゲットとなりうることが判明した。
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自由記述の分野 |
皮膚腫瘍学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HDAC阻害剤は皮膚T細胞リンパ腫の治療薬として使われているが、効果に限界があることが分かっており、効果を増強するための併用療法の開発が試みられているが、現時点で確立された併用療法はない。本研究ではHDAC阻害剤によりチロシンキナーゼと呼ばれる細胞内分子群の活性がどのように変化するかを解析し、Src経路と呼ばれる特定の分子群の活性が亢進していることを明らかにした。さらにSrc経路の阻害剤でHDAC阻害剤の抗腫瘍効果が増強することも明らかにした。本研究により将来的な皮膚T細胞リンパ腫の新たな治療法の確立が期待できる。
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