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2020 年度 実施状況報告書

Psmb8変異導入中條-西村症候群モデルマウスの解析

研究課題

研究課題/領域番号 19K08780
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

稲葉 豊  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (00647571)

研究分担者 金澤 伸雄  和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (90343227)
国本 佳代  和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (10438278)
三木田 直哉  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60405462)
研究期間 (年度) 2020-03-01 – 2023-03-31
キーワード自己炎症性疾患 / 中條-西村症候群 / PSMB8 / ユビキチン / モデルマウス / プロテアソーム
研究実績の概要

中條-西村症候群は、若年で死亡することもある特異な遺伝性炎症・消耗性疾患である。2011年に遺伝性自己炎症性疾患の一つとして指定難病に登録された。病因は不要な蛋白を分解するプロテアソームの機能不全であるが、自己炎症性の病態を来す詳細なメカニズムは不明である。
今回用いた中條-西村症候群のモデルマウスは、長崎大学人類遺伝学教室においてGene-targeting法によりPsmb8 遺伝子に G201V 変異を持つノックインマウス(Psmb8 G201V)を作成して頂き、当科においてSPF下で交配し繁殖させた。
phenotypeの自然発現は認めなかったため、本症の特徴の一つである痩せ、筋萎縮の有無を確認するためトレッドミルによる走行実験を行った。結果、homoにおいて走行距離の低下、走行後の血清CK値の上昇を認めた。病理組織では明らかな筋炎、筋萎縮は認めないものの、何らかの筋障害による筋力低下が考えられた。
骨髄、脾臓をFACSで解析すると、脾臓では、CD8陽性T細胞においてnaive T細胞が低下を認めており、抗原提示能に異常があると考えられた。
生存率に関しては、homoにおいてヒトと同様にオス、メスともに優位に低下を認めた。
ヒトとは異なり、phenotypeの自然発現は認めなかった。しかしヒトと同様に筋力、また生存率の低下を確認でき、中條-西村症候群と合致するところを認めたのは大きな進歩である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初、homo同士の交配によりhomoマウスを増やそうとしたが、homo同士であると、出産数が極端に少なく母数の確保に難渋した。hetero同士の交配をさせることにより母数を増やしたが、思うようにはhomoの出産数が確保できず、実験の進捗に遅れを呈した。

今後の研究の推進方策

無刺激下では、phenotypeの出現を認めなかったためhomoとWTマウスにおいて、Thioglycollate-elicited peritoneal exudate cellsや骨髄から誘導した樹状細胞を用い、それらにCpG, ds-DNA, IFN-γ, lipopolysaccharide, Poly IC, Poly Uなどのリガンドで刺激し、IL-6, IP-10の産生量を比較し、プロテアソームとどのリガンドが関与するか確認する。
またTLR7リガンドのイミキモドを耳介に連続外用した乾癬モデル、腹腔内に連続投与したSLEモデル、プリスタンを腹腔内投与したループス腎炎モデルを作成し、経時的に耳介の厚さや体重を測定し、適当な時点で屠殺して血清中抗核抗体、IL-6、IP-10値を測定し、皮膚や腎臓へのIgG沈着、ユビキチン蓄積や炎症細胞浸潤の程度を組織学的に検討する。表現型が明らかでない場合、プロテアソーム阻害薬を投与し、炎症性病態を発現しないか検討する。
上記の研究により明らかとなった表現型をターゲットに、各種MAPキナーゼ阻害薬、JAK阻害薬、プロテアソーム賦活薬などの治療薬の効果を検討する。

次年度使用額が生じた理由

2020年10月より研究を再開したため、使用額が少なかったです。

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公開日: 2021-12-27  

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