研究課題/領域番号 |
19K08780
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
稲葉 豊 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (00647571)
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研究分担者 |
金澤 伸雄 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90343227)
国本 佳代 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10438278)
三木田 直哉 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (60405462)
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研究期間 (年度) |
2020-03-01 – 2023-03-31
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キーワード | 中條-西村症候群 / PSMB8 / プロテアソーム / 自己炎症性疾患 / JMP症候群 / CANDLE 症候群 / モデルマウス / 免疫老化 |
研究実績の概要 |
中條-西村症候群は、慢性反復性の炎症と進行性のやせ・消耗を特徴とする特異な遺伝性自己炎症疾患である。病因は、不要な蛋白を分解するプロテアソームの機能不全であるが、自己炎症性の病態を来す詳細なメカニズムは不明である。今回、原因遺伝子の特定に伴いモデルマウスであるPSMB8ノックイン(KI)マウスを用い病態解析を行った。 KIマウスにおいて、皮下脂肪、内臓脂肪に関して野生型マウスと比較して有意に減少しており、組織学的にも脂肪の萎縮を認めた。また週齢6週以降の体重増加が不良で野生型マウスと比べて有意に低体重であった。生存率に関しても、KIマウスにおいてヒトと同様にオス、メスともに有意に低下を認め、ヒトと同様のphenotypeを示すことが確認できた。 脾臓をフローサイトメトリーで解析すると、CD4陽性T細胞においてeffector memory細胞の低下、CD8陽性T細胞においてnaive T細胞の低下、またCD4陽性T細胞、B220陽性細胞、樹状細胞においてMHC classⅠの発現低下を認めており、抗原提示能に異常があると考えられ、免疫老化が進行している可能性が考えられた。 免疫老化では、感染源から身体を防御しそれらを排除する正常な免疫応答が低下する一方、慢性炎症や自己免疫応答が亢進するという二面性をもつことに特徴がある。本研究により自己炎症性疾患の病態において、免疫老化が関与している可能性が示唆された。
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