研究実績の概要 |
今年度、より臨床に近い、亜急性期のモデルとしてマウスの脊髄損傷の21日後に損傷部を除去し、同部に毛包幹細胞を移植するマウスモデルを作成し、損傷の改善効果を確認した(Obara K, Amoh Y et al. Hair-follicle-associated pluripotent (HAP) stem cells promote functional recovery from spinal cord injury in early chronic phase. 論文投稿中)。さらに、我々はマウス毛包幹細胞をneural-induction medium (STEMdiff Dopaminergic Neuron Differentiation Kit) で培養することにより、毛包幹細胞からtyrosine hydroxylase陽性のドパミン産生細胞が分化することを確認した (Yamane M, Amoh Y et al. Hair-follicle-associated pluripotent (HAP) stem cells can extensively differentiate to dopaminergic neurons. Cells; in press)。現在、パーキンソン病モデルマウスへのマウス毛包幹細胞由来ドパミン産生細胞の移植によるパーキンソン病の改善効果の確認と、ラットとヒト毛包幹細胞からのドパミン産生細胞の分離を行っている。また、ラットからの心筋誘導研究も順調に進んでいて、iPS等の他の幹細胞とは比較にならないほどのしっかりした心筋線維構築を持つ心筋シートを作成することに成功した(Takaoka N, Amoh Y et al. Long myocardial fibers induced by rat hair-follicle associated pluripotent (HAP) stem cells. 論文投稿中)。現在、前記の動物モデルの移植実験に加えて、人の毛包からの心筋線維の作製、ドパミン産生細胞の誘導を行っている。作成が成功すれば免疫不全動物への移植に移行する予定である。
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