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2020 年度 実施状況報告書

炎症性皮膚疾患の病態におけるプログラニュリンの役割

研究課題

研究課題/領域番号 19K08788
研究機関岐阜大学

研究代表者

清島 眞理子  岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00171314)

研究分担者 水谷 陽子  岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (60759950)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードprogranulin / 乾癬 / アトピー性皮膚炎
研究実績の概要

本研究では重要な炎症性皮膚疾患である乾癬およびアトピー性皮膚炎について、患者血清中のプログラニュリン(PGRN)濃度測定、両疾患の皮疹組織におけるPGRNの発現の検討を計画した。その中でまず血清中PGRN濃度を測定した結果、乾癬、アトピー性皮膚炎ともに健常人に比べ、有意に増加することが明らかになった。血清PGRN濃度は乾癬ではその臨床的重症度マーカーであるpsoriasis area and severity index (PASI)と正の相関があったが、関節症状の有無で差異はみられなかった。また、乾癬患者において血清PGRN濃度は血清中のインターロイキン(IL)-17およびIL-22濃度と相関した。一方、アトピー性皮膚炎では臨床的重症度マーカーであるEczema Area and Severity Index (EASI)およびSeverity SCORing Atopic Dermatitis (SCORAD)、血清IgE値と血清中PGRN濃度の相関はなかったが、血清中Thymus and activation-regulated chemokine (TARC)濃度およびIL-36γ濃度と相関した。
次に培養表皮細胞におけるPGRNの作用を検討した。PGRNを培養液に添加した際に表皮細胞でのIL-23発現量の増加がみられた。さらに種々のサイトカインを培養液に添加した際のPGRN発現量を検討したところ、IL-22、IL-36γ、Tumor necrosis factor (TNF)α添加により発現量の有意な増加がみられた。以上からPGRNは乾癬、アトピー性皮膚炎の病態においてサイトカインを介して役割を果たすことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

患者血清を得ることができ、血清濃度を測定できた。また表皮細胞培養も順調に行っている。

今後の研究の推進方策

乾癬モデルマウス、アトピー性皮膚炎モデルマウスでのPGRNの役割を検討したい。

次年度使用額が生じた理由

2021年度は本研究の最終年であり、動物実験および細胞培養実験を予定している。これらの実験で必要な試薬購入に経費を使用したいと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Indoleamine 2,3-Dioxygenase 2 Deficiency Exacerbates Imiquimod-Induced Psoriasis-Like Skin Inflammation2020

    • 著者名/発表者名
      Fujii K, Yamamoto Y, Mizutani Y, Saito K, Seishima M
    • 雑誌名

      Int J Mol Sci

      巻: 21 ページ: 5515

    • DOI

      10.3390/ijms21155515

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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