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2020 年度 実施状況報告書

ω-5グリアジン欠失1BS-18小麦の耐用量と継続摂取による免疫寛容に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K08791
研究機関島根大学

研究代表者

千貫 祐子  島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (00294380)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード小麦アレルギー / ω-5グリアジン / 1BS-18 / 免疫寛容 / 好塩基球活性化試験
研究実績の概要

成人小麦アレルギーの主要なアレルゲンであるω-5グリアジンの欠失した1BS-18小麦系統によって作成したパンの耐用量と継続摂取による免疫寛容に関する研究において、目標症例数は20例であり、現在までのところ16例を登録している。本研究では、ステップ1で小麦負荷を漸増していき耐用量を決定し、ステップ2で耐用量の1BS-18小麦パンを連日摂取してもらった。16例のうち1例はステップ1の耐用量評価途中で蕁麻疹が出現し、患者の希望により脱落した。またもう1例はステップ2の耐用量の継続摂取中に蕁麻疹が出現し、同じく患者希望により脱落した。残りの14例のうち、13例は耐用量がプロトコール上の最高用量である60gに到達し、60gの1BS-18小麦パンを12週間継続摂取した。1例はステップ1の漸増負荷中、50gで蕁麻疹が出現したため、耐用量を40gと設定し、その後12週間40gを継続摂取した。
現在までのところ、小麦/グルテン/ω-5グリアジンの特異的IgE値が大きく変化した症例は認めていないが、小麦タンパク質添加による好塩基球活性化試験(CD203c発現定量)では、12週間の継続摂取後に活性化が減弱した症例を確認している。
なお、1BS-18小麦パンの摂取による蕁麻疹以外の有害事象は認められなかった。
現時点で、試験終了した症例は12例、ステップ2終了後の経過観察中が2例、試験途中での脱落が2例である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

目標症例数は20例であり、現在までのところ16例を登録している。理想的には現時点で20例の登録を完了したいところではあったが、COVID-19のパンデミックのために、患者の医療機関の受診控えがあり、症例登録がやや遅れた。
ただし、登録した16例に関しては、COVID-19のパンデミックの期間中も定期的に来院しており、データの取得と臨床症状の確認は問題なく実施できた。
今後しばらくはCOVID-19のパンデミックが継続することが予想され、登録患者には引き続き安心して来院してもらえるよう感染対策に努める必要がある。

今後の研究の推進方策

倫理委員会の承認は登録期間を2020年12月31日と設定しているため、今後は新たな登録の予定はなく、現在は追跡期間としている。現在までのところ、登録患者は定期的に来院しており、解析に必要なデータの入手、臨床症状の確認は問題なく実施できている。
今後は、残り2例の追跡期間を滞りなく終了した上で、全ての症例のデータを整え、解析を行い、学会/論文にて発表の予定である。

次年度使用額が生じた理由

本研究の目標登録症例数は20症例であったが、COVID-19のパンデミックの影響で登録症例が16例となったため、その差額が次年度使用額となった。
次年度使用額については、より良い研究報告のための解析費や、英文校正などの必要経費として使用する予定である。また、今後しばらくの間国際学会の現地開催は困難と考えられるが、Web開催などで発表すべく、学会発表の申請登録などに使用する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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