研究課題/領域番号 |
19K08798
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
金澤 伸雄 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (90343227)
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研究分担者 |
国本 佳代 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (10438278)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 凍瘡様皮疹 / 自己炎症性疾患 / 新規遺伝子変異 |
研究実績の概要 |
本年度はまず、乳児期から発熱と凍瘡様皮疹を反復する父子に見出された、これまでに疾患との関連の報告のないIFN調節遺伝子のヘテロ変異について機能解析を進めた。症状のある父子由来末梢血単核球および不死化B細胞において無刺激あるいはIFNγ刺激後のp-STAT1の発現増強を認め、また末梢血単核球のmRNA発現解析にて父子ともにIFN応答遺伝子の発現亢進を認めた。さらに、皮疹生検組織の免疫組織学的検討により、父子ともにMPO陽性好中球とCD68陽性マクロファージの浸潤とp-STAT1の発現を認めた。以上から、父子ともにIFN応答異常のあることが示された。当初、子に認めた複合ヘテロ変異で発症すると想定し、正常遺伝子の導入でIFN応答異常が改善するか検討することを予定していたが、父子共通のヘテロ変異による機能獲得の可能性が強まったため、変異遺伝子の導入によりIFN応答異常を示すかin vitroの培養細胞を用いて検討中である。 新規症例の解析としては、本年度は1例のみ、日本免疫不全・自己炎症学会の症例相談に相談のあった、生後3ヶ月発症の発熱や成長障害を伴う再発性多発性脂肪織炎にてWeber-Christian病と診断されている小児例について、PSMB8とTREX1変異のないことを確認し、長崎でのパネル遺伝子解析をと両親とトリオでのエキソーム解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遺伝性自己炎症疾患に対する遺伝子検査が保険適応となったことにより研究代表者への直接の症例相談が減っており、解析対象の集積が思うように進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後、日本免疫不全・自己炎症学会の症例相談に相談された症例を含め、関連学会の抄録・発表症例に注意し、解析対象の集積に励む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
症例が想定していたほど集らず、遺伝子解析が進まなかった。
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