本研究において、電場などの外部刺激や、生体や薬剤の基本物質である水が、皮膚角層バリア機能に重要な役割を果たす細胞間脂質の側方配列構造に少なからず影響を与えていることが明らかとなり、経皮吸収促進作用のメカニズム解明につながる貴重な情報を得ることができた。細胞間脂質は疎水的な性質が強く、水と関係していることを示す実験データはこれまであまり得られておらず、これらの情報は学術的にも貴重なものであると考えられる。 今後、本研究を遂行することにより、皮膚角層の構造と経皮吸収現象の関係性がより明らかとなり、従来よりも浸透しやすい薬剤やその投薬方法の新規開発に重要な知見を提供することができると期待される。
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