研究課題/領域番号 |
19K08824
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
原田 浩徳 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (10314775)
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研究分担者 |
原田 結花 東京都立駒込病院(臨床研究室), 臨床試験科, 部長 (50379848)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 骨髄異形成症候群 / 骨髄不全症 / RUNX1 / ミトコンドリア動態異常 / BMTモデル |
研究成果の概要 |
骨髄異形成症候群(MDS)の主病態である骨髄不全症の発症機序解明のため、CBL変異とRUNX1変異を遺伝子導入したMDS骨髄移植モデルマウスを用いて検討を行った。このマウスは骨髄不全症の表現型と遺伝子発現プロファイルを再現した、世界初の早期発症低リスクMDSモデルマウスである。造血細胞におけるミトコンドリア動態の解析結果から、過剰な断片化によりROSの産生が誘導され、細胞死を来たすことを見出した。ミトコンドリアの過剰な断片化を化合物で阻害すると白血球減少が改善した。MDS患者でも同様の結果が得られた。ミトコンドリアダイナミックス異常がMDSの骨髄不全症を引き起こすことが明らかになった。
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自由記述の分野 |
血液内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MDSに関わる多数の遺伝子変異が同定されたが、発症や進展の分子病態は不明である。前白血病といわれているMDSは白血病と同様、遺伝子変異が造血幹細胞に生じているが、徐々に進行する汎血球減少と白血病へ移行する特有な病態は明らかになっていない。臨床的には、貧血などの血球減少への対応が中心となる低リスクMDSと白血病移行の抑制が治療の主体となる高リスクMDSに分類される。MDS治療薬であるアザシチジンは高リスクが対象であり、MDSの主病態である汎血球減少症に対する治療薬はない。本研究成果は、MDSの多様な遺伝子変異に共通する分子病態を明らかにしたことにより、新たなMDSの創薬開発に繋がったといえる。
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