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2022 年度 実績報告書

ATLにおける制御性T細胞の選択的な増殖機構:OX40L/OX40に着目して

研究課題

研究課題/領域番号 19K08843
研究機関琉球大学

研究代表者

水口 真理子  琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40581541)

研究分担者 田中 勇悦  琉球大学, 医学部, 産学官連携研究員 (30163588) [辞退]
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードHTLV-1 / ATL / OX40 / OX40L / FOXP3
研究実績の概要

成人T細胞白血病(ATL) 患者では、転写因子FOXP3を発現する制御性T細胞(Treg)の異常増殖が見られ、それがATL発病に関与することが示唆されている。本研究ではT細胞の増殖シグナルに関与するOX40L/OX40に着目し、ATLにおけるTreg細胞の増殖機構を明らかにすることを目的とした。
ATL患者から単離した末梢血ATL細胞およびリンパ節ATL細胞を用いて、FOXP3、OX40LおよびOX40の発現をフローサイトメトリーで解析した。患者ATL細胞中のFOXP3+細胞ではOX40が発現し、FOXP3-細胞でOX40Lが発現した。
次に転写因子であるFOXP3がOX40LおよびOX40の発現を制御するかどうか、FOXP3+ HTLV-1感染細胞株を用いて解析した。RNA干渉法によりFOXP3の発現を抑制すると、OX40Lの発現が上昇した。このことは、FOXP3がOX40Lの発現を抑制することを示している。一方、FOXP3の発現抑制はOX40の発現に影響を与えなかった。
最終年度には、新鮮な患者ATL細胞を用いて、細胞増殖のマーカーであるKi-67とOX40の発現を解析した。ATL細胞におけるKi-67とOX40の発現には、正の相関が見られた。
本研究課題ではこれまでに、HTLV-1感染細胞株において、OX40シグナルが細胞増殖に関与することを明らかにしている。ATL患者体内には、OX40L+ ATL細胞とOX40+ ATL細胞が混在する。本研究により、OX40L+ FOXP3-細胞がOX40+ FOXP3+細胞を刺激することでFOXP3+ ATL細胞の増殖を促進する可能性が示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] A protective role of HTLV-1 gp46-specific neutralizing and antibody-dependent cellular cytotoxicity-inducing antibodies in progression to adult T-cell leukemia (ATL)2022

    • 著者名/発表者名
      Yuetsu Tanaka, Reiko Tanaka, Naoki Imaizumi, Mariko Mizuguchi, Yoshiaki Takahashi, Masaki Hayashi, Takashi Miyagi, Junnosuke Uchihara, Kazuiku Ohshiro, Hiroaki Masuzaki, Takuya Fukushima
    • 雑誌名

      Frontiers in Immunology

      巻: 13 ページ: -

    • DOI

      10.3389/fimmu.2022.921606

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ATLにおけるOX40/OX40Lの役割.2022

    • 著者名/発表者名
      水口真理子, 高橋良明, 田中礼子, 今泉直樹, 山下暁朗, 福島卓也, 田中勇悦
    • 学会等名
      第8回日本HTLV-1学会
  • [学会発表] ATL感染病態進行に対する抗HTLV-1 gp46中和およびADCC抗体の制御的役割.2022

    • 著者名/発表者名
      田中勇悦, 田中礼子, 今泉直樹, 水口真理子, 高橋良明, 福島卓也
    • 学会等名
      第8回日本HTLV-1学会

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公開日: 2023-12-25  

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