研究課題/領域番号 |
19K08844
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
王 新涛 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00448630)
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研究分担者 |
池添 隆之 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80294833)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 肺線維症 / thrombomodulin |
研究実績の概要 |
特発性肺線維症(IPF)は予後が極めて不良な疾患であり、その病態には肺胞内の微小血管内皮細胞障害とそれに基づく血液凝固異常の関与が示唆され、これまで、ヘパリンやワルファリン等による抗凝固療法が行われているが、有効性は明らかではない。Thrombomodulin(TM)は複数のドメインから構成される膜タンパク質で、主に血管内皮細胞に発現し、抗凝固作用、抗炎症作用や内皮細胞保護作用を有する。本研究はIPFの病態解明とTM由来ペプチドによる新規IPF治療の開発を目的としている。 本年度は研究計画通りに実験を実施し、以下の結果を得た。(1)TGF-β刺激による上皮細胞の上皮間葉移行(EMT)、線維芽細胞のcollagenやα-SMA発現増加に対するTM由来ペプチドの効果を検討した。TM及びそのペプチドはTGF-βによる誘発された上皮細胞の障害を抑制した。(2) ヒト肺線維芽細胞において、TMはTGF-βにより誘発されたcollagenやα-SMA産生増加を抑制した。(3)Bleomycin(BLM)マウス肺線維症モデルでは、recombinant TMの連日腹腔内投与によりBLMによるマウス肺胞洗浄液(BAL)中の細胞増加が減少し、肺胞上皮細胞の障害と肺組織中のcollagenやα-SMA産生増加が抑制された。 以上の結果より、TMの肺上皮細胞EMT及びマウス肺線維症抑制効果を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通りに進めている。 (1)ヒト肺上皮細胞A549及び肺線維芽細胞WI-38を使用したin vitro実験が実施した。 (2)Bleomycinマウスモデル実験については、マウスモデルを作成し、TM投与によりマウス肺線維化を抑制することを確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画通りに進めていく。
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