直接経口抗凝固薬(DOACs)は、脳血栓塞栓症や下肢深部静脈血栓症の予防薬として広く用いられている。本研究では、DOACsの抗腫瘍作用について解析した。大腸がん細胞を移植した担癌マウスに、抗トロンビン薬(ダビガトラン)と抗Xa薬(エドキサバン[EDX]、リバーロキサバン)を連日経口投与し、21日目のマウスから血液および腫瘍組織を採取し解析した。その結果、解析したDOACsのうち、特にEDXは投与量依存性に腫瘍細胞の増殖を抑制し、血中及び腫瘍組織中の腫瘍増殖関連因子の発現と細胞分裂関連因子の発現を抑制するとともに、腫瘍組織のアポトーシスを促進するなど、EDXの抗腫瘍作用が明らかになった。
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