研究課題/領域番号 |
19K08873
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
古和田 周吾 岩手医科大学, 医学部, 講師 (30418884)
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研究分担者 |
佐々木 了政 岩手医科大学, 医学部, 助教 (40825501)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | proplatelet / thrombopoiesis / mitchondria / autophagy |
研究実績の概要 |
巨核球細胞質から、proplateletを経て新生血小板に至る過程で、ミトコンドリアの形態とサイズがどのように変化するかを評価した。マウス骨髄より分離した巨核球をオルガネラ特異的蛍光染色を行い、ミトコンドリアの形態を経時的に観察した。巨核球細胞質のミトコンドリアの形態は癒合しておりサイズが大きいものが大部分を占めていた。血小板産生のための細胞突起形成が始まる時期より、ミトコンドリアは分裂しサイズが減少し数が増加した。proplateletの先端まで行くとミトコンドリアのサイズは極めて小さくなっていた。次にproplateletの断片化から成熟血小板までの過程で、ミトコンドリアを含む核オルガネラがどのように変動するかを評価した。マウスの急性ITPモデルから血小板数が変動する期間に経時的に末梢血液を採取し、in vivoで新生血小板が老化血小板に至る間に、オートファゴゾームとオルガネラ量がどのように変化するかを測定した。採取した新生血小板にオルガネラ特異的蛍光染色を行い、蛍光量をフローサイトメトリーで測定した。血小板数の急速回復期ではオートファゴゾームを豊富に含む血小板を多く認めた。その後血小板数回復するにつれて、オートファゴゾームを多く含む血小板は、経時的に減少し36時間以内に健常マウスと同じレベルに復した。血小板数の急速回復期ではミトコンドリア、小胞体、RNAを豊富に含む血小板を多く認め、その後経時的にその割合は低下した。これらの結果から、新生血小板でも恒常的オートファジーfluxがオルガネラの量(ミトコンドリア、小胞体)を制御していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
骨髄巨核球から、胞体突起・新生血小板を経て、成熟血小板に至るまでの、オルガネラの変動(Autphagosome, mitochondria,小胞体、RNA)についてはほぼ予定通りの研究が進んでおり、データを得ることができた。一方で、マウスの準備や、電顕標本の解析が遅れている。これらは2021年度に行う予定。
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今後の研究の推進方策 |
Autopagyに関連する遺伝子改変マウスが予想と一致した止血能低下を伴うphenotypeを示さない場合には、電子顕微鏡の標本によるオルガネラの検討を優先して行う。また、人の疾患におけるその役割の解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
おおむね予定通りの経費となった。残額は抗体などの消耗品の追加に使用する予定。
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