研究課題/領域番号 |
19K08882
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
窪田 哲也 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 准教授 (30274377)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | MUC1 / KL-6 / 肺障害 / 間質性肺炎 |
研究実績の概要 |
KL-6を測定可能なヒトMUC1-Tgマウス(c57BL/6背景)を用い、DBA/1系に8世代以上バッククロスしDBA/1背景のヒトMUC1-Tgマウスを作成し、この2系統のマウスを用いて検討した。DBA/1背景マウスでも c57BL/6背景のヒトMUC1-Tgマウスと同様に血清およびBALFでKL-6が測定可能であり同レベルであった。
昨年度DBA/1背景ヒトMUC1-Tgマウスを用いて関節炎モデルを評価したが、モデル作成に時間がかかるため本年度も継続し検討しほぼ同様の結果が得られた。また、c57BL/6背景ヒトMUC1-Tgマウスを用いて作成したプリスタンモデルではDBA/1と異なり、関節炎などを呈することなく肺胞出血を来し肺胞出血のモデルになることがわかった。KL-6は血清、BALFともに4週後にピークがありそれぞれ1098±326 (U/mL)、4900±1782(U/mL)と上昇した。血清SP-Dも4週後に1049±543(ng/mL)と急上昇するが、BALFは2週後に10858±2518 (ng/mL)と急上昇した。血清ペリオスチンは4週でKL-6、SP-Dとは異なり逆に低下した。
また、マウスでの検討と並行して急性期瀰漫性肺疾患(薬剤性肺障害、膠原病性間質性肺炎、過敏性肺臓炎含む、n =37) の臨床検体におけるBALF中のLRGとKL-6の相関を検討したところ(学内倫理委員会承認済)、LRGはCRPと強い正の相関(r = 0.84, p<0.001)を示したが、KL-6とSP-Dとは相関を認めなかった。一方、登録時CRPが高値(1 mg/d以上)の症例を除いた慢性期の症例では、血清LRGは肺機能の低下とは相関を認めなかったが、BALF-LRGは肺機能の経過と有意な正の相関を認めた(r=0.74, p<0.001)。第60回日本呼吸器学会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2019年に当教室に所属していた実験助手が退職し、2020年度前半は実験助手不在で技術支援が得られなくなった。年度途中に実験助手を採用したが、まったくの未経験者であり充分な支援がえられない状況が現在も続いている。加えて新型コロナウイルス感染症の第二波、第三波拡大に伴い、学内での実験制限(技官の在宅勤務、動物実験室使用禁止、学内実験計画書申請の延期など)、試薬類の供給停止が数ヶ月続き実験を中断せざるを得ない時期があった。この状況は改善されてきたが、一方で新型コロナウイルス感染症診療を当呼吸器内科中心に担当することになり臨床面での負担が増えた。また、学生教育のために新たにe- learningコンテンツ作成などの作業が必要になり、診療や教育に関するエフォートが増加し研究に支障をきたした。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症拡大にともなう実験制限は段階的に解除されてきた。教室で新規採用した実験助手はバイオ実験未経験者であり、まだまだ未熟ではあるが、少しずつ支援がえられつつある。新型コロナウイルス感染症診療もチームワークで対応しており、研究に費やすエフォートも戻りつつある。今後実験計画を見直し作業の効率化をはかり進めてゆく。
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