自己免疫疾患の発症が、環境要因によってもたらされるエピゲノム制御の乱れによって生じうることが示唆されているが、その直接的な関係は明らかになっていない。本研究では、エピゲノム制御因子であるDNA脱メチル化酵素Ten-eleven translocation (Tet) 分子のB細胞特異的欠損によって、B細胞の自己反応性が惹起され、T細胞の活性化を引き起こすことで、自己免疫疾患が発症することが明らかになった。これは、Tet分子が、自己反応性B細胞の末梢寛容維持に必須の役割を担うことを示唆しており、エピゲノム制御不全が自己免疫疾患発症の直接的原因になることを示すものである。
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