研究課題/領域番号 |
19K08885
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
川尻 真也 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (20457576)
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研究分担者 |
大山 要 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (50437860)
岩本 直樹 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (80437897)
川上 純 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (90325639)
小林 透 長崎大学, 工学研究科, 教授 (90637399)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 関節リウマチ / 人工知能(AI) / Internet of Things(IoT) / 関節超音波 / バイオマーカー / 遠隔医療 |
研究実績の概要 |
本研究は、先行研究である分子標的治療を導入した関節リウマチ(RA)患者を対象とした九州地区多施設共同超音波前向きコホート研究から得られる臨床情報、画像情報、バイオマーカー情報を人工知能(AI)技術により高次元に統合し、次世代の診療アルゴリズムを確立することを目的とする。 ステップ1として工学部・情報データ科学部との共同研究により疾患活動性を反映する超音波画像のAIを用いた解析を行った。まず、関節レベルで疾患活動性をよく反映するパワードプラ超音波画像をAIに機械学習させた。次に学習済みのAIに画像を入力することで自動的にスコアリングするシステムを構築した。 ステップ2としてライデン大学との共同研究により新規RA特異的自己抗体である高シトルリン化ペプチド抗体(ACPA)および抗カルバミル化タンパク抗体のサブクラス解析を行った。IgM-ACPAと分子標的治療の有効性との関連を見出した。また、41種類のサイトカインやケモカインなどのバイオマーカーを測定した。今後、治療反応性を予測する因子をAIを用いて解析する予定である。 また、コロナ禍において過疎地域における遠隔診療・オンライン診療の需要が高まっている。我々は新たにInternet of Things (IoT)・AI技術を活用した長崎県離島・へき地におけるRA専門遠隔医療システムを構築した。Microsoft HoloLens 2とAzure Kinect DKによって作り出されるMixed Reality(MR)を活用し、遠隔地のRA患者の関節診察を可能とした。また、Azure Cognitive ServicesのAIを実装し、実証実験を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたAI技術を活用した次世代関節リウマチ診療アルゴリズムを遠隔医療に活用する新たな取り組みを計画した。
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今後の研究の推進方策 |
ステップ1の超音波画像自動スコアリングシステムにおいては、さらにグレースケール画像や他関節部位の多数の画像を集積・機械学習させることで、システムの質と汎用性の向上を目指す。また、スコアリングから所見表作成までを自動システム化する。ステップ2においては、解析症例数の追加および解析バイオマーカーの追加を行い、ステップ3の超音波画像・バイオマーカー・患者情報を統合した疾患活動性評価指数の確立につなげる。また、同時にMRを活用したRA遠隔医療システムの実証実験を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
症例をさらに集積しバイオマーカーの測定を行うため、多数のバイオマーカーを測定するマルチサスペンションアレイキットを購入する予定であったが、新型コロナ感染症の影響により物品の購入時期が次年度になったため。 また、新型コロナ感染症の影響により、学会が中止あるいはオンライン開催となり旅費が発生しなかったため。
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