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2019 年度 実施状況報告書

FGF-23に着目したSilent Lupus腎炎の新規診断法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 19K08889
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

花岡 洋成  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (90453547)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード全身性エリテマトーデス / ループス腎炎 / Fibroblast growth factor
研究実績の概要

Fibroblast Growth Factor-23(FGF-23)が尿細管間質障害が誘導し、腎機能が悪化する。そこで今年度は当院に外来通院する全身性エリテマトーデス(SLE)患者を対象に腎機能障害・検尿異常の有無で2群に分類し、累積腎機能悪化率・尿バイオマーカー・FGF23を測定し比較した。腎機能悪化は診断から最終観察時までの間で推定糸球体濾過率(eGFR)が30%低下したものと定義した。
腎機能障害や検尿異常を認めない患者(n=44)と組織学的にループス腎炎が証明されたか、腎機能障害もしくは検尿異常を認める患者(n=55)を対象とした。2群間で累積腎機能悪化率に差はなかった (p=0.35)。2019年4月から2020年4月の間で採取し得た尿バイオマーカー及び血中Fibroblast Growth Factor-23(FGF-23)濃度を測定し比較した。尿β2ミクログロブリン(373.9±106.9 vs 456.7±736.8, p=0.62),尿α1ミクログロブリン(6.5±3.7 vs 6.3±0.18 ×103μg/L, p=0.45), 尿Nアセチルグサコミ二ダーゼ(NAG) (10.2±7.3 vs 8.8±2.3 IU/L, p=0.55), 尿肝臓型脂肪酸結合蛋白(LFAB-P)(4.7±2.7 vs 6.2±9.8 μg/g・Cre, p=0.88), 尿N好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)(71.0±43.3 vs 57.0±10.7μg/g・Cre, p=0.42)と2群間で差はなかった。また血中FGF23は検体採取数が少ないが(n=10 vs n=16)、 65.1±45.9 vs 40.7±15.5 pg/mL, p=0.65と差はなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現在までに尿バイオマーカーは全例で採取し比較が完了した。しかしFGF23の測定は全体の20%程度しか進んでいない。これは対象患者の通院間隔にばらつきがあり、検体採取の機会が少ない事、またFGF23のアッセイ系が確立するまでに時間を費やしてしまった点が挙げられる。

今後の研究の推進方策

今後は、FGF23測定を全例に行い、前述の患者2群間での差を確認する。また、FGF23は腎機能だけでなく多くの因子(CRP, リン濃度、副甲状腺ホルモンなど)が影響するため、それらの因子を補正した結果を合わせて解析する。また、各群で腎機能が悪化した患者とそうでない患者にも層別化し検討を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

検査試薬の測定系を確立するまでに時間を費やしてしまい、今年度購入すべき検査試薬を購入することができなかったため自然ど使用額が生じてしまった。次年度は主に検査試薬の購入を進め、論文化・学会発表へつなげていきたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Poor long-term renal outcome in systemic lupus erythematosus without abnormal urinalysis: a possible link with silent lupus nephritis2019

    • 著者名/発表者名
      19.Hironari Hanaoka, Jun Kikuchi, Shuntaro Saito, Hiroshi Takei, Tatsuhiro Oshige, Kazuoto Hiramoto, Yuko Kaneko, Tsutomu Takeuchi.
    • 学会等名
      83rd Annual Scientific Meeting of American College of Rheumatology
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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