シェーグレン症候群は、唾液腺、涙腺などの外分泌腺に慢性炎症が起こり、外分泌腺が破壊され、ドライマウス、ドライアイなどを主徴とする自己免疫疾患である。標的臓器においては、自己反応性CD4+ T細胞の活性化が認めら、その後の病態増悪に関わることから、それらの活性化機序を解明、制御することが重要である。 これまでに、自己反応性CD4+ T細胞の移入による唾液腺炎発症モデルを確立した。本モデルに、抗生剤カクテルを投与すると、唾液腺炎の発症が抑制されることから、自己反応性CD4+ T細胞の活性化に、腸内細菌叢が関与することを明らかにしてきた。 本年度は、自己反応性CD4+ T細胞のTCRレパトア解析を行い、腸内細菌叢に反応するT細胞について検討した。その結果、CDR3の偏りが認められ、唾液腺炎発症に関与する特定のTCRレパトアが同定された。同定されたTCRレパトアをT細胞株に遺伝子導入し、自己抗原に対する反応性について、検証中である。
|