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2019 年度 実施状況報告書

真菌関連アレルギー性気道疾患の原因真菌診断法確立

研究課題

研究課題/領域番号 19K08893
研究機関東海大学

研究代表者

浅野 浩一郎  東海大学, 医学部, 教授 (60192944)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード真菌 / マイクロバイオーム / アレルギー性気管支肺真菌症 / 喘息
研究実績の概要

アレルギー性気管支肺真菌症(ABPM)から得られた気道粘液栓で、粘液栓中に真菌菌糸が確認された試料のうちホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)標本として保管されているものからDNAを抽出し、真菌叢解析を行うための手法を検討した。
ABPM由来の気管支粘液栓FFPE標本は、埼玉県立循環器・呼吸器病センターより提供された30検体、独立行政法人国立病院機構東京病院より提供された35検体を用い、対象群としては喘息患者由来の気道粘液栓で組織中に真菌菌糸を認めない試料52検体を用いた。FFPEからのDNA抽出キットは、市販のキットによるDNA抽出量、ゲノム長、PCR効率などを比較した報告を参考に選んだ。抽出されたDNAを用いて真菌特異的ITS1領域をPCR増幅し、Illumina MiSeqでシーケンスを行った。シーケンスで得られたFASTQファイルを東海大学医学部内で共同研究する今西 規教授らが開発したデータベース、解析ソフトウエアであるGenomeSync、GSTKと、一般に広く用いられているUNITE、QIIME 2を用いて解析した。
十分量のDNAが抽出され、PCR増幅が可能であったのはABPM由来32検体と喘息由来15検体であった。同一検体において属レベルでGenomeSync/GSTKとUNITE/QIIME 2の解析を比較した場合、主要な菌についてそれぞれの検体で大まかな一致が認められた。UNITE/QIIME 2による解析では属レベル以上の解析が出来ない検体があったが、GenomeSync/GSTKによる解析では種レベルの解析が可能であった。今後、10-20種の既知の真菌種から抽出したDNAが同じ濃度ずつ添加された混合物を作成して、データベースと解析ソフトウエアによる違いを比較する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

保管検体を用いることで、多くの試料を速やかに収集可能であった。

今後の研究の推進方策

もう一つの課題である真菌特異的揮発性有機化合物の道程と測定系の開発を進めていく。
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、患者から新規検体を収集して行う研究については予定通りの遂行に困難が危惧される。

次年度使用額が生じた理由

次世代シークエンサーのコスト削減に成功したため消耗品費を節約できたことと、新型コロナウイルス感染症流行のため予定していた国際学会への参加を取りやめたため、次年度使用額が生じた、2020年度は2019年度の研究を進めるとともに、もう一つの課題である真菌特異的揮発性有機化合物の道程と測定系の開発を進めていく。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Evaluating serum periostin levels in allergic bronchopulmonary aspergillosis2020

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Jun、Hebisawa Akira、Oguma Tsuyoshi、Tomomatsu Katsuyoshi、Suzuki Junko、Shimizu Hiroshige、Kawabata Yoshinori、Ishiguro Takashi、Takayanagi Noboru、Ueda Soichiro、Fukunaga Koichi、Taniguchi Masami、Ono Junya、Ohta Shoichiro、Izuhara Kenji、Asano Koichiro
    • 雑誌名

      Allergy

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1111/all.14114

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Rapid clearance of mepolizumab-resistant bronchial mucus plugs in allergic bronchopulmonary aspergillosis with benralizumab treatment2020

    • 著者名/発表者名
      Tomomatsu Katsuyoshi、Sugino Yasuteru、Okada Naoki、Tanaka Jun、Oguma Tsuyoshi、Asano Koichiro
    • 雑誌名

      Allergology International

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1016/j.alit.2020.03.003

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] アレルギー性気管支肺真菌症のバイオマーカー2019

    • 著者名/発表者名
      浅野浩一郎
    • 雑誌名

      アレルギー・免疫

      巻: 26 ページ: 36-40

  • [学会発表] アレルギー性気管支肺真菌症を正しく診断するために2019

    • 著者名/発表者名
      浅野浩一郎
    • 学会等名
      第59回日本呼吸器学会学術講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] アレルギー性肺疾患(類縁疾患)の基本から最新情報まで -ABPMー2019

    • 著者名/発表者名
      浅野浩一郎
    • 学会等名
      第6回総合アレルギー講習会
    • 招待講演
  • [図書] 呼吸器疾患最新の治療2019-20202019

    • 著者名/発表者名
      浅野浩一郎、他
    • 総ページ数
      534
    • 出版者
      南江堂
    • ISBN
      978-4-524-24557-4
  • [図書] アレルギー性気管支肺真菌症の診療の手引き2019

    • 著者名/発表者名
      浅野浩一郎、他(「アレルギー性気管支肺真菌症」研究班)
    • 総ページ数
      114
    • 出版者
      医学書院
    • ISBN
      978-4-260-03921-5

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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