免疫複合体 (IC)により引き起こされる炎症反応はIII型アレルギーと呼ばれ、Tissue Resident CellsがICを感知し免疫細胞を異常遊走させる。関節リウマチはIII型アレルギーに分類されるが、正常な関節内腔は関節液で満たされ、血流も遮断され、Tissue Resident Cellsは存在せず、その機序は不明であった。研究代表者は生きたマウスの関節組織で免疫細胞の動態をリアルタイムに観察可能な関節内インビボイメージングシステムを構築した。関節な委員ビボイメージングシステムは補体成分C5aが起点となる新しいIII型アレルギー機序を発見した。 一方、組織で産生された補体成分C5aが血管内を循環している免疫細胞の血管内接着を誘導するには組織から血管内腔へ輸送される必要があったが、その輸送機序は不明であった。近年、代表者は組織内でChemoattractant分子の動態をリアルタイムで可視化する技術を構築する事に成功した。Chemoattractant分子の可視化と関節内インビボイメージング技術を駆使して、研究代表者は血管内皮細胞に発現している"Atypical"補体受容体 C5aR2が補体成分C5aを組織から血管内腔へ輸送し、循環している好中球に発現している"Classical"補体受容体 C5aR1に結合し炎症の起点となる血管内接着を促進し、炎症を惹起している事を明らかにした。
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