研究課題
研究実施計画に基づきマスト細胞(HMC-1)による線維芽細胞活性化およびコラーゲン産生能促進を介したシェーグレン症候群唾液腺炎における線維化促進への関与メカニズム解析を行った。まずマスト細胞と線維芽細胞の共培養においてTranswell membraneを用い細胞接着を阻害した実験を行い、HMC-1細胞は線維芽細胞のIL-6やTGFβ RNAの発現上昇をRT-PCR法を用いて確認した。また同様の手法を用いI型コラーゲン産生促進も確認している。この実験結果からHMC-1由来可溶性因子が線維芽細胞の活性化およびコラーゲン産生促進的に作用することが確認された。また逆方向性にマスト細胞もIL-6やTGFβ RNAの発現上昇を確認した。2細胞間でおそらくIL-6などを介したamplification loopが形成され、相互作用によりさらにマスト細胞や線維芽細胞が活性化および線維化促進因子の産生が亢進する機序が示唆された。HMC-1/線維芽細胞の細胞接着の活性化および線維化促進因子の産生に関する検討については、共培養を長期間保つことができず、可溶性因子についてのみ検討を進めた。HMC-1による線維芽細胞活性化が可溶性因子に加え接着因子が加わるとその生存に過度に影響し、細胞死にいたるため検討が困難であった。今年度はマスト細胞由来可溶性因子の同定のMicroarray法を用いた包括的な分子特定に加え、文献検索による候補因子を複数抽出し、その可溶性因子に対する中和抗体を用いマスト細胞由来可溶性因子の同定を試みる。
2: おおむね順調に進展している
HMC-1・線維芽細胞の共培養実験によりHMC-1由来可溶性因子が線維芽細胞の活性化やコラーゲン産生能に促進的に作用することを確認した。共培養実験で接着因子に関しては検討が困難であり、今後マスト細胞由来の液性因子について同定を進めていく。
引き続きHMC-1および線維芽細胞をもちいた共培養実験を継続する。マスト細胞由来液性因子に関してはMicroarray法を用いた包括的な研究手法により同定を進めていく。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
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