研究課題
シェーグレン症候群唾液腺炎におけるマスト細胞の線維芽細胞機能修飾を介した線維化促進メカニズム解析を行った。マスト細胞による線維芽細胞活性化についてhuman mast cell line-1(HMC-1)とhuman fibroblastの共培養実験を行い、マスト細胞と7日間共培養を行った。fibroblastはCol1a mRNA遺伝子の有意な発現上昇を認め、 コラーゲン線維(TypeI collagen)産生亢進を介し、組織線維化へ促進的に作用する可能性が示唆された。HMC-1をIL-33およびSCFで24時間刺激し、その後24時間さらにマスト細胞を無刺激で培養し、その培養液を回収し、mast cell-conditioned mediumとしてfibroblast培養実験を行った。Mast cell-conditioned mediumで培養したfibroblastはCol1a mRNA発現上昇を認めたため、マスト細胞由来液性因子がfibroblastのCol1a発現上昇に関与することが明らかになった。さらにMast cell-conditioned mediumを希釈し線維芽細胞培養実験を行った。mast cell-conditioned medium希釈倍率に反比例してCol1a mRNAの発現は上昇し、マスト細胞由来液性因子の関与が示唆された。この実験でCol1a遺伝子の発現亢進はTGFβ中和抗体により有意に阻害されたためマスト細胞由来TGFβの関与が推測された。また唾液腺炎局所のマスト細胞のTGFβ1発現について 蛍光免疫染色を行い唾液腺炎局所においてマスト細胞がTGFβ1のcell sourceであることを明らかにした。これらの研究結果からマスト細胞の産生するTGFβ1が線維芽細胞TypeI collagen産生を促進しシェーグレン症候群随伴唾液腺炎組織繊維化に寄与することを明らかにした。この研究成果はModern Rhaumatologyに論文発表を行った( Kaieda S et al. Mast cells can produce transforming growth factor β1 and promote tissue fibrosis during the development of Sjogren's syndrome-related sialadenitis. Mod Rheumatol. 2021 in press)。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
Journal of Clinical Medicine
巻: 11 ページ: 1-10
10.3390/jcm11071925
Internal Medicine
巻: 61 ページ: 277-278
10.2169/internalmedicine.7995-21
Modern Rheumatology
巻: in press ページ: in press
10.1093/mr/roab051
巻: 60 ページ: 3823-3826
10.2169/internalmedicine.6541-20.
Journal of Clinical Rheumatology
巻: 27 ページ: S781-S782